つくば市が取り組む避難所入所のデジタル化
近年の自然災害の頻発に伴い、避難所の入所手続きがスムーズに行えることが求められています。そこで茨城県つくば市は、株式会社バカンと協力し、避難所入所受付のデジタル化に向けた実証実験を実施しました。この取り組みは2025年1月21日に行われ、市役所職員を対象に行われたものです。
実施の背景
地球温暖化により、台風や地震などの自然災害が増加しています。こうした状況下で、迅速かつ安全に避難するための災害対策は今や必須です。バカンはこれまでに、200以上の自治体で避難所の混雑状況を可視化する技術を提供し、自然災害時における迅速かつ安全な避難を後押ししてきました。
今回の実証実験では、従来の紙媒体による避難者カードをデジタル化し、混雑を緩和することが目的です。加えて、職員のデータ処理業務を効率化することも目指されています。
実証実験の概要
- - 実施日: 2025年1月21日(火)
- - 対象者: つくば市役所の職員
- - 検証内容: デジタル化手続を通じて、入所から名簿の集約までの時間を測定。
具体的には、参加者がアプリやWEBフォーム、マイナンバーカードリーダーを利用して手続きを行いました。特に注目されたのはQRコードを利用した手続きです。
1.
アプリでのQR読み取り: オンライン登録した情報をQRコード読み取りで取得。
2.
QR読み取りによるWEB入力: QRをスキャンしてWebフォームに情報を入力。
3.
マイナンバーカードリーダー使用: カードリーダーでの簡易い入所。
4.
従来の紙媒体: 紙のカードに情報を記入。
検証結果
実験の結果、QRコードを使用した経路では、入所受付からデータベース化まで平均3秒という迅速性が明らかになりました。これは従来の方法のわずか14分の1の時間です。さらに、新設されたWEBフォーム利用では平均4秒で完了し、特別なアプリインストール不要で手軽さが評価されました。
参加した避難者からのフィードバックでも、デジタル手法に対する好評が目立ち、特にQRコードを用いたアプローチでは92.3%と高い満足度を得ました。一方で、従来の手続きでは60%以上がネガティブな評価。これによりデジタル化の必要性が改めて浮き彫りになりました。
今後の展望とアプリについて
バカンは、混雑状況の可視化だけでなく、入所管理機能を強化し、より多くの自治体と連携して様々な機能を開発・実装していく方針です。今回の実証で使用された「tami tami」というアプリは、避難時におけるポジティブな機能が満載で、避難所の位置や状況情報などもリアルタイムで確認できます。今後、地域交流の促進はもちろん、安全でスムーズな避難をサポートするためにも重要なツールとなるでしょう。
このように、つくば市の取り組みは、デジタル技術を活用した新たな防災の形として、今後の発展が期待される事例です。