ウィーンが宇宙に送る音楽『美しく青きドナウ』
2025年5月31日、ウィーン観光局と欧州宇宙機関(ESA)の共催で、画期的なイベント「ワルツ・イントゥ・スペース」が実施されます。この特別なプロジェクトでは、ウィーン交響楽団が生演奏する名曲『美しく青きドナウ』がリアルタイムで宇宙に送信され、NASAのボイジャー1号に23時間後に届くという壮大な計画が進行中です。
歴史的な意義
このイベントは、ヨハン・シュトラウス2世の生誕200周年を祝う取り組みの一環です。さらに重要なのは、1977年のボイジャー号発射時に、『美しく青きドナウ』が「ゴールデンレコード」に選ばれなかったことへの雪辱でもあります。宇宙探査の歴史の中で、シュトラウスの音楽は特別な意味を持っており、今回のイベントでその地位が再確立されること期待されています。
ワルツ・イントゥ・スペースの詳細
現地時間の2025年5月31日20:30(日本時間では6月1日午前3:30)、ウィーン交響楽団はオーストリア応用美術館(MAK)で『美しく青きドナウ』を演奏します。この生演奏の音楽は、信号化され、ESAの深宇宙アンテナを通じて光速でボイジャー1号に向けて送信されます。
信号が宇宙を旅する様子は、約1.34秒で月の軌道に到達し、4分20秒後には火星、さらに37分後には木星、そして4時間後には海王星に届きます。そして17時間後、太陽系の境界を越え、送信開始から23時間3分後にボイジャー1号に追いつきます。この瞬間、宇宙の彼方でシュトラウスの名曲が響くことでしょう。
参加型の機会
参加者として特別な役割を果たすことができるのが、「アンバサダー」プログラムです。特設サイトに訪れ、13,743音符の中から一つを選んで登録することで、宇宙に音楽が送信される際に名前も一緒に送信されます。このプログラムは先着順で、参加費は無料。著名な参加者も多く、ウィーン市長や元宇宙飛行士などが既に名を連ねています。
ライブ配信と上映会
当日のイベントの模様は、特設サイトとウィーン市観光局のInstagramで生中継される予定です。また、ウィーンやニューヨークのブライアントパークではライブ上映会も行われ、世界中でこの瞬間を共有することができます。
まとめ
「ワルツ・イントゥ・スペース」は、音楽と科学、さらに人類の未来に向けた壮大な試みが織りなす特別な瞬間です。宇宙探査の魅力を再認識し、名曲の力で結びつく世界を楽しむいい機会となるでしょう。音楽が宇宙を超え、何千万キロも離れた場所に届くこのチャレンジを、ぜひお見逃しなく!