金融AIサミットレポート
2025-11-05 15:59:00

金融業界に革命をもたらすAI活用の最新事例集~第6回金融CCリーダーサミット開催レポート

AIがもたらす金融業界の新たな潮流



2023年10月1日、東京・八重洲にある船井総研グループ東京本社サステナグローススクエアで、金融業界のコンタクトセンターに特化した「金融業界コンタクトセンター エグゼクティブリーダー・サミット」(以下、金融CCリーダーサミット)の第6回が開催されました。本イベントは、主に金融業界のシニアマネジメント層を対象とし、最新のトピックスや成功事例を共有する場として定期的に行われています。

イベントの主なテーマと流れ



今回のサミットでは「AIが支える教育と顧客応対の姿」がテーマに選ばれ、AI技術の導入による具体的な活用事例や課題について深掘りされました。盛りだくさんのプログラムは、以下の内容で進行しました。

開会と基調講演


初めに行われた開会挨拶では、2024年のコールセンター白書に基づき、69.1%の企業が生成AIの導入を検討していることが報告されました。昨今のAI技術に対する高い関心が裏付けられる一方で、約80.2%の回答者が「ハルシネーション」に対する懸念を持っていることも示されました。つまり、AI導入に際し「ハルシネーション」との向き合い方が重要な課題であることが強調されました。

事例講座:住信SBIネット銀行の取り組み


次に、住信SBIネット銀行の加藤誠章マネージャーが登壇し、銀行の電話窓口への生成AIの導入について話しました。彼が紹介したのは「“AIは使えない”を変えた日」と題された事例で、なんとGPT-4oモデルを活用し、業務の精度が約90%向上したとのことです。また「すべてをAIに任せない」というポリシーを持ちつつも、AIによる業務の効率化をGPUによって実現。結果、2024年8月の導入以降、40%の通話がAIによって対応されるようになり、顧客の応答率や待ち時間が改善されたとのことです。

AI育成の新発想:オリックス生命保険の実践


続く講演では、オリックス生命保険の松本将敬氏が「AIによるオペレーター育成の新たな試み」をテーマに発表しました。中堅オペレーターの育成においてAIロールプレイング機能を導入し、人的リソースの削減に成功。結果的に、オペレーター一人あたりの実施回数が増加し、受講者の約9割がその効果を実感していることが示されました。このように、AIは既存の業務形態を変えるのではなく、むしろその能力を拡張する役割を果たしていることが確認されました。

参加者の声とネットワーキングの重要性



本イベントには、銀行や保険会社を初めとする計20社から32名の参加者が集まり、活発なディスカッションが行われました。参加者からは、「他社の成功事例を聞けて参考になった」「AI導入に向けた具体策が整理できた」という意見があり、今後のビジネス展開に向けた方向性を曖昧なものから具体化させる良い機会となったようです。

今後の展望と次回の予定



金融CCリーダーサミットは今後も継続的にインフォーマルな情報交換の場を提供し、同業者同士のネットワークを広げていく予定です。次回は2025年12月9日(火)に開催予定で、さらなる参加企業の発表が待たれています。AI技術の進化が金融業界に与える影響を引き続き注視しながら、サミット参加者は今後の教育や顧客応対の改善に向けて積極的に取り組んでいくことが期待されます。

AIがもたらす金融業界の変革は、これからも私たちの注目を集め続けることでしょう。


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