村松英俊の個展『Return to Stone』と特別企画「Wear to Stone」
2025年11月21日、東京の虎ノ門にあるart cruise galleryにて、アーティスト村松英俊の個展『Return to Stone』がスタートしました。本展は、彼の独特な視点で「物に宿る気配」をテーマにした作品群が並び、見る者に深い感銘を与えます。そして、特に注目すべきは、合同企画「Wear to Stone」。このプロジェクトは、アートとファッションが融合し、個々の記憶を石化するという新しい試みです。
「Wear to Stone」プロジェクトの概要
「Wear to Stone」は、限られた人数のための特別なアート体験です。この企画では、実際に履き込まれたスニーカーが持つ履き皺や色落ち、ソールの減りといった時間の痕跡にアプローチし、それを村松の手によって大理石へと再構築します。これにより、個々の思い出を永続的な形として残すことが試みられています。
スニーカーには、持ち主の記憶や歩みが積み重ねられています。それをアーティストが大理石の美しい形に変えることで、ただのファッションアイテムとしてではなく、一つのアート作品としての価値が付加されます。この新たな視点は、ファッションが単に消費されるものではなく、時間とともに成長し続けるものであることを示唆しています。
プロジェクト参加の詳細
この特別なプロジェクトには、限定5名の参加者を募ります。応募は2025年12月1日から12月30日まで受け付けており、制作費は70万円から80万円、制作期限は受注後6ヶ月から12ヶ月とされています。申込はart cruise galleryで行われ、特別な体験を提供することを目的としています。
展示会場では、村松が手掛けた、シューズ「Replica」のソールを大理石化した作品も展示されています。彼の特異なアートスタイルを体験する絶好の機会となるでしょう。
村松英俊のアートについて
村松英俊は、大学院時代から「物に宿る気配」をテーマにした制作を手掛けており、何かの時間や記憶を石化させることで、失われゆく大切なものを未来へ引き継ごうとしています。「Return to Stone」というタイトルには、全ての起源が石にあるという村松の哲学が込められており、彼の作品は過去、現在、未来という時間を横断するものです。この中で新たな存在のかたちを見出し、見る者に深い問いかけをしています。
ギャラリーの特徴
art cruise galleryは、アートとファッションが交差する場として、様々なアートプロジェクトを展開してきたギャラリーです。彼らの目指すは、作品同士のリレーションが生まれる空間デザインであり、鑑賞者が作品との新たな関係を築くことを可能にします。
この個展『Return to Stone』と、特別企画「Wear to Stone」は、アートと自身の体験を融合させた新しい形のアート体験を提供します。ぜひ、足を運んで彼の独特な世界観に触れてみてはいかがでしょうか。
概要
- - 展覧会名: Return to Stone
- - 会期: 2025年11月21日(金)〜 2026年1月12日(月・祝)
- - 会場: art cruise gallery by Baycrew’s
- - 所在地: 東京都港区虎ノ門2-6-3、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 3F
- - 営業時間: 11:00〜20:00(最終入場19:30)
村松英俊によるアートと、機会を逃さず体感できる「Wear to Stone」。新たな視点でのアート体験をご期待ください。