新たなエネルギーの潮流:TERRAとUPDATERによる新会社設立
株式会社TERRAと株式会社UPDATERは、2025年10月1日に新会社「株式会社TERRA INTERNATIONAL」を設立しました。この新会社は、海外でのソーラーシェアリング事業を手掛けることを目的としており、日本からの持続可能なエネルギーと農業の両立を目指します。
ソーラーシェアリングとは
ソーラーシェアリング、または営農型太陽光発電は2003年に日本で提案された技術であり、農地の上部空間を活用して太陽光パネルを設置し、発電と農業を同時に行う仕組みです。この技術は、発電による収入を農業に還元することで、農業の持続可能性を高めることが期待されています。
TERRA INTERNATIONALの背景
両社はそれぞれ、国内での豊富な実績を持っています。株式会社TERRAは沖縄や北海道での実証実験を進め、独自の特許技術を持つペロブスカイト太陽電池を用いたプロジェクトを展開しています。一方で、UPDATERは再生可能エネルギーの普及に貢献しており、特にタンザニアなど海外の安定的な電力供給に取り組んできました。
この2社のノウハウを組み合わせることで、新興国におけるエネルギーの安定供給と農業の両立が加速されると期待されています。
事業の目的と展望
TERRA INTERNATIONALは、2025年度からUAEやエチオピア、バングラデシュ、ベトナムにおいてソーラーシェアリング発電設備の展開を目指します。現地農家との協業モデルを構築し、地域の農業振興と再生可能エネルギーの普及を進める計画です。
また、2030年度以降には、ペロブスカイト太陽電池などの先進技術を導入し、これまで難しいとされていた砂漠地帯や柔らかい地盤でもソーラーシェアリングの展開を目指しています。これにより、土壌に炭素を固定化する「カーボンファーミング」や砂漠緑化といった新たな可能性も探求されています。
経営陣のコメント
TERRAの代表取締役、東光弘氏は「私たちの目指す道は、単なる発電事業にとどまらず、地球規模の食料問題や砂漠化の課題解決にも貢献する」と述べており、UPDATERの大石英司氏は「現地の人々と共にカーボンニュートラルの実現を目指す」と語ります。これらのメッセージから、新会社の設立が未来志向の取り組みであることが明らかになります。
TERRA INTERNATIONALの新しい挑戦
TERRA INTERNATIONALは、既存の技術を駆使しつつ、環境負荷の少ないエネルギー供給と農業の振興を同時に実現するための新しい道を切り開こうとしています。既存の枠を超えたイノベーションを促進し、持続可能な未来を築くための挑戦が始まります。エネルギーと農業が共存する新しいモデルが、これからの社会にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。