ITエンジニアの後輩指導に関する実態調査
株式会社キッカケクリエイションが実施した2026年度の調査結果が示す通り、ITエンジニアの多くが後輩や部下の指導に悩みを抱えていることが明らかになりました。この調査は、最近2年以内に後輩や部下への指導経験がある25〜39歳のエンジニア300名を対象に行われました。以下にその結果を詳しく見ていきましょう。
後輩指導への負担感
調査によれば、81.4%のエンジニアが後輩や部下の指導に負担を感じていると回答しました。「非常にそう感じる」と答えた割合は28.7%、さらに「ややそう感じる」が52.7%で、多くのエンジニアがこの業務に課題を抱えています。
負担の大きな要因は、48.0%が「指導が自分の評価や給与に反映されない」と回答したことが挙げられます。加えて、45.1%が「自分の業務と並行して指導のための時間を確保しにくい」と述べています。このように、指導業務に対するサポートの不足が背景に見え隠れしています。
指導したいが言えない本音
興味深いのは、75.3%のエンジニアが「直接言えていないが、本当は伝えたいこと」があると答えた点です。その内容では、最も多くのエンジニアが求めるのは「質問する前に自分なりの仮説を持ってきてほしい」というもので、これが52.2%を占めました。
また、「同じことを何度も聞かずにメモを取ってほしい」との意見も39.8%にのぼります。多くのエンジニアが後輩に対し、自己解決能力を求めていることが伺えます。
指導時の意識と苦労
指導を行う際には、39.3%のエンジニアが「1on1やレビューなど二人きりの場を選ぶ」とお答えし、38.3%は「具体的な改善アクションとセットで伝える」との意欲を示しました。しかし、指導時の苦労としては、「主体的に考える習慣を身につけさせること」が最も挙げられています。
会社の評価・サポートの実態
調査では、32.3%のエンジニアが後輩指導に対する会社の評価やサポートが不十分と感じています。その理由としては、「育成カリキュラムがない」と「指導工数が業務として認められない」との上位2つが挙げられました。
また、79.4%が後輩指導の経験が自身の成長に役立っていると感じている一方で、辛さを抱えた上での成長の実感が浮き彫りになっています。
結論
この実態調査からは、ITエンジニアの後輩指導が個人の努力に依存していることが分かります。組織的なサポートを強化することが、エンジニアの負担を軽減し、育成文化を醸成する第一歩となるでしょう。指導業務を業務評価に組み込むことは、エンジニアのモチベーション向上にもつながるはずです。
指導が効果的に行われる環境を整え、エンジニアが気持ちよく知識を伝え合う文化を築くことが求められています。