新登場!レーザー式アンモニア検知器の詳細
東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)が、このたび発売したのがレーザー式のアンモニア検知器「レーザー・アンモニア」です。
この製品は、最大30メートルの距離から、わずか10ppm・mという微量のアンモニアを瞬時に検知することができます。従来は気体を採取する必要があった吸引式の検知器とは異なり、レーザー光を利用してアンモニアを判別するため、物理的接触がない点が大きな特徴です。
なぜレーザー式?
本製品は、アンモニア分子が特定の波長(1.49μm帯)の光を吸収する現象を利用しています。この現象をレーザー吸収分光法(TDLAS)と呼び、非常に高感度かつリアルタイムでの測定が可能です。この技術により、手の届かない場所や広範囲にわたる漏れを検知することが大幅に容易になりました。
日常生活から産業界まで
アンモニアは肥料や冷媒として長年にわたり利用されてきましたが、最近では脱炭素社会に向けた水素キャリアとしての役割が注目されています。一方で、毒物及び劇物取締法においては劇物に分類され、漏れがあると人体や環境への影響が問題視されるため、安全管理が必須です。従来の検知器は、操作性やメンテナンスの面でさまざまな課題がありました。特に、直接アンモニアと接触することで発生するセンサの劣化は、運用上の大きな負担となっていました。
そこで、TGESが開発した「レーザー・アンモニア」は、このような問題を解決します。小型軽量で、片手に収まるサイズでありながら、堅牢な設計で落下にも強いという特徴を持っています。また、防塵・防滴構造のため、様々な現場環境でも安心して使用できます。
安全と効率の向上に寄与
TGESは、今後もこのような革新的なガス検知器の開発と普及を進め、安全が求められる現場における保安管理の質を向上させる取り組みを続けます。加えて、設備管理の効率化を図ることで、老朽化や人手不足といった社会課題への対応も視野に入れた「スマート保安」への寄与を目指しています。
最後に、製品の詳細仕様を確認しておきましょう。レーザー・アンモニアの型式はLA1N13N-TGA、対象ガスはアンモニア(NH3)で、検知範囲は1〜50,000ppm・m、検知精度±10%という高い精度を誇ります。応答時間は0.1秒と迅速で、連続動作時間は約8時間(温度25℃時、フル充電の場合)という優れた性能を持っています。これからのガス検知の主役として、レーザー・アンモニアの活躍に期待が高まります。