静岡県浜松市の建具工事会社が岐阜の企業に譲渡、その背景と意義

浜松トーヨー住器株式会社と岡島ホールディングスのM&A

最近、静岡県浜松市で金属製建具工事を手掛ける 浜松トーヨー住器株式会社 が、岐阜県不破郡関ケ原町に本社を置く 株式会社岡島ホールディングス に譲渡される形でのM&Aが行われました。この取引は、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社が仲介を担当しました。

浜松トーヨー住器の経緯

浜松トーヨー住器は1974年に設立され、創業以来地域に根ざした住宅建材の販売と施工を行ってきました。会社の代表である大城英彦氏は、トステム（現在のLIXIL）での経験を生かしながら営業の強化に努め、「基本に忠実」な経営姿勢で会社を成長させてきました。しかし2014年以降、BtoC事業の撤退や新型コロナウイルスの影響、さらには後継者不在という課題に直面し、次第に経営が苦境に立たされていきました。

特に後継者問題は深刻で、大城氏は自身の引退後の事業承継について真剣に考えるようになりました。そのため、M&Aという選択肢を検討し始めたのです。アドバイザーの支援を受け、譲渡先の選定に動き出しました。

岡島ホールディングスとの出会い

譲渡先には、同じくLIXILが運営するフランチャイズチェーン「マドリエ」の加盟店である岡島ホールディングスが選ばれました。大城氏は、自社の文化と社員の幸せを重視する企業理念に共鳴し、この会社への譲渡を決意しました。地域に密着した事業の継続が期待できると感じたのです。

M&Aの意義と今後の展望

今回のM&Aには多くの意義があります。まず第一に、浜松トーヨー住器が持っていた地域の信頼と実績、そして事業文化が岡島ホールディングスに受け継がれることが期待される点です。事業承継が成功すれば、地域社会にとってもプラスとなるでしょう。

また、岡島ホールディングスにとっても、このM&Aは自社の事業エリアを拡大する絶好の機会となります。住宅用やビル用の建材業務を展開する同社にとって、浜松トーヨー住器の強みを融合させることによって、さらなる成長が見込まれます。