CLIP社がラジオ名シーンをAIで自動抽出する新システム導入
東京都渋谷区に本社を置く株式会社CLIPが、ラジオ番組内の名シーンを自動的に抽出するシーン分析AIの導入を発表しました。このAIシステムが導入されることにより、ラジオのトークやリアクション、感情の動きを高度に解析し、魅力的なシーンを抽出する新しいプロセスが実現します。
ラジオの切り抜き動画の時代が到来
ラジオ番組の編集は長年、経験豊富な編集者の感覚に依存してきましたが、その属人的な工程は限界に達していました。近年、ラジオはショート動画を利用して若年層へのアプローチを強化し、スポンサーシップの向上を図っています。しかし、数時間にわたる放送からどのシーンが最も反響を呼ぶのかを判断する作業は、作業負荷が大きく、正確な選定が難しいという課題がありました。
CLIPは、この課題を解決するためにAI技術を活用し、ラジオの音声コンテンツを構造的に解析する新たな手法を導入しました。これにより、編集者はより効率的にシーンを選定し、魅力的なコンテンツを視聴者に届けることが可能になります。
特徴的な解析機能
新たに導入されたAIには、数値化された「盛り上がり指標」があり、声量、話の速度、笑い声などを解析してトークの盛り上がりを測定します。また、感情の変化を捕捉し、感情のピークとなったシーンも自動的に抽出されます。さらに、パーソナリティ同士のトーク中の関係性や、「会話が動いた瞬間」を特定する機能も備えています。
このAIは、SNSの特性に合わせて、シーンを15秒、30秒、60秒などの短い尺に自動で分割することも可能です。人間が最終確認を行う「ハイブリッド運用」により、AIが抽出した結果が誤っている場合や炎上のリスクを軽減するための体制も整っています。
切り抜き動画の運用が変わる
この新システムを導入することにより、従来の運用から脱却し、以下のような成果が期待されています。
- - 編集前のシーン選定時間の大幅短縮
- - 編集者ごとの判断のばらつきが減少し、再現性が向上
これにより、過去の運用では「偶然ヒットした回」が多かったのに対し、今後は「どの番組でも一定の確率で反響が期待できる」データベース型の運用へと進化します。
未来の展望
今後の展開として、スポンサー向けのシーン自動抽出や、視聴者を惹きつける番組構成のデータ蓄積、過去のアーカイブ音源の再発掘、大規模な多言語対応などが計画されています。CLIPは、ラジオ、AI、切り抜き動画のデータ基盤を強化し続ける方針です。
代表取締役のコメント
この新システムに関し、CLIPの代表取締役である山本真司氏は、「ラジオの魅力は、生の感情にあります。AIによって、その瞬間を捉えることで、新たな視聴体験を提供できると確信しています。これからは、データに基づいてラジオの魅力を広めていく時代です。」と述べています。
CLIPの会社概要
CLIPはAIを駆使した切り抜き生成とIP権利管理を統合的に行う、次世代のコンテンツプラットフォームです。YouTubeやTwitchの動画、ラジオ、ドラマ、さらには漫画や新聞など、多様なフォーマットから見どころを抽出し、切り抜き動画マーケティング支援や権利管理基盤を提供しています。彼らの目指すのは、多様なIPの流通と価値最大化を実現するための総合的なコンテンツ流通インフラの構築です。
詳細は株式会社CLIPの公式ウェブサイトをご覧ください:
CLIPのホームページ