三好桃加の新たな挑戦、仁王像たちのオフの日とは
2025年12月5日から、東京・表参道に位置するtHE GALLERY OMOTESANDOで、彫刻家・三好桃加の個展「仁王像たちのオフの日、2025冬」が開催されます。この展覧会は、私たちの生活の中で徐々に影を潜めつつある文化や信仰についての考察を、ユーモアと温かみをもって表現しています。
個展の背景とコンセプト
三好桃加は、幼少期の家族との思い出や、仏像という存在から受けた感情を通じて、仁王像をテーマにした作品を制作しています。彼女は、日常生活の中で忘れ去られてしまった神仏を再評価し、仁王像たちが「オフの日」にリラックスしている姿を描くことで、これまでの信仰の在り方に一石を投じます。
「仁王像はいつも人々を見守り、支えてきた存在であるため、彼らにも休息が必要です。私の作品を通じて、人々が神仏に頼らずとも安定した生活を送ることができるようになってほしい」という三好の想いから、この個展は誕生しました。このコンセプトは、彼女自身の人生や精神的な旅に基づいています。
作品の魅力
今回の展覧会では、仁王像たちがスイーツを楽しんだり、のんびりと散歩をする姿が描かれています。これらの作品は単なるユーモアに終わらず、仏像の背後に隠された「強さとやわらかさ」を表現しています。このユーモアが、仏像に対する親しみやすさを引き立て、観客にとって新たな視点を提供しています。
三好の作品は、技術的にも高度なものが求められます。彼女は陶土を使用し、空洞を作るためにワイヤーで切り抜くことで、自立した構造を持つ作品を生み出します。このプロセスは、素材との対話であり、彼女が作品に込めたメッセージをより強く表現するものとなっています。三好は「仏像が休めるというのは、いまが平和の証かもしれない」と話します。この視点が、現代社会における祈りや精神的な安定についての新たな問いを投げかけているのです。
展覧会の情報
展示期間は、2025年12月5日から12月26日まで。開廊時間は12:00から19:00で、初日のみ17:00にクローズします。月曜・火曜は休廊日です。また、オープニングレセプションは12月6日(土)18:00から20:00まで、参加が自由で入場は無料です。
時代や文化の変遷と共に移ろいゆく信仰の形を、三好桃加は新たなアプローチで捉え直しました。彼女の仁王像のオフの日シリーズを通じて、観客はただの仏像ではなく、温かみを持った存在としての仏像たちと再会することができるでしょう。
まとめ
三好桃加の個展では、仁王像たちの新たなストーリーと温かみを感じることができます。神仏に対する親しみやすい姿勢と、現代的な視点が融合した作品たちをぜひご覧ください。心温まる仁王像たちが、訪れる人々に静かな癒しをもたらすことを期待しています。