TBSとWOWOWの共同開発ソフトが映像技術で栄冠を手にする理由とは

TBSとWOWOWの映像伝送ソフトが放送文化基金賞を受賞

2024年3月、TBSテレビとWOWOWが共同で開発した映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」（以下、LMS）が、公益財団法人放送文化基金が主催する第51回放送文化基金賞の放送技術部門を受賞しました。この受賞は、放送技術における革新を称えるものであり、今後の映像制作の発展に大きな影響を及ぼすことが期待されています。

LMSの特徴と受賞理由

LMSは、一般的なインターネット回線を使用しながらも、これまでにない高品質の映像伝送を実現するソフトウェアです。特に、極めて低い遅延での伝送やポートの開放を必要としない接続の簡便さが大きな特徴です。受賞理由としては、インターネット回線を介して遠隔地のカメラや機器を操作する際の遅延問題を独自の伝送方式で解決し、現地からのリモート操作を可能にした点が高く評価されました。この技術は、ゴルフやテニスの国際中継番組においても使用され、好評を博しています。

映像制作の利便性を大幅に向上

LMSは特許技術「Multi Latency」を活用し、映像や音声以外にも制御信号の送受信ができるため、映像制作業界だけでなくVTuber事業やメディアアート、さらには遠隔制御技術の分野でも注目を集めています。この技術は、プロフェッショナルの現場においてリモートプロダクションを容易にし、新たな映像制作のスタイルを創出しています。また、LMSの利用は拡大しており、さまざまなイベントや状況に応じてその効果が実証されています。

今後の展望とさらなるアップデート

LMSの開発には今後も注目が集まり、さまざまなアップデートが予定されています。これにより、映像制作の現場はますます進化し、革新的な技術が生まれることでしょう。LMSは既に、一般ユーザー向けに2024年3月から無償提供が開始され、11月からは有料プランも提供される予定であり、これからの進捗にも期待が寄せられています。