安田倉庫とJA三井リースが結んだ太陽光電力PPA契約の意義

安田倉庫とJA三井リースが結ぶ新たな太陽光PPA契約

2025年に向けて、安田倉庫株式会社とJA三井リース株式会社の再生可能エネルギー戦略が一層強化されています。新たに導入された余剰電力循環型太陽光PPAにより、九州営業所は再エネ活用比率を飛躍的に向上させることが期待されています。

1. 背景と目的

安田倉庫グループでは、持続可能な社会を実現するための重要課題として「低炭素・循環型社会への貢献」を掲げています。具体的には、2030年までにCO₂排出量を2022年度比で30％削減する目標を立てています。この目的を達成するために、さまざまな再生可能エネルギーの活用が進められており、今回の余剰電力循環型太陽光PPAの導入はその一環です。

物流施設は広大な屋根面積を持つ一方で、電力消費量が少ないという特性があります。そのため、自家消費型の太陽光発電を導入しても、余剰電力が生じてしまい、活用されないことが課題となっていました。今回導入されたサーキュラーグリーンエナジーのサービスでは、余剰電力をAIで予測し、アイ・グリッドが買い取り、他の電力利用者に供給します。これにより自家消費が最大化されることが期待されています。

2. 取組みの概要

安田倉庫におけるこの取組みでは、年間約566,000kWhの電力が供給され、そのうち約339,000kWhが自社で消費される予定です。また、余剰電力約227,000kWhはアイ・グリッドを通じて他の利用者に供給されることで、同営業所の再エネ比率は約41％に達します。これにより、年間約157,000kgのCO₂排出量削減が見込まれています。

更には、他の利用者に供給される余剰電力分はCO2フリー電力として扱われるため、国内全体で約105,000kgのCO₂排出量削減にも寄与することになります。これは再生可能エネルギーの普及を促進する重要な一歩です。

3. 地域社会への影響

JA三井リースグループおよび農林中央金庫は広大なネットワークを活用し、地域における「余剰電力循環型太陽光PPAサービス」を進めていきます。この取り組みは、CO₂排出量を減少させるだけでなく、地域社会の発展にも寄与することでしょう。物流施設や取引先の屋根を利用することで、地域のエネルギー効率が向上し、より持続可能な未来を構築する一助となることを目指しています。