箕輪町が生成AIを活用した多言語翻訳サービスを導入
長野県箕輪町が、八楽株式会社が開発した生成AIを搭載した翻訳支援ツール「ヤラク翻訳」を導入しました。このサービスは、国内に住む外国籍住民に確実に命に関わる重要な情報を届けるための取り組みとして、2025年4月から本格的に運用が始まる予定です。
背景と導入の経緯
箕輪町は人口およそ24,000人を有し、820人ほどの外国籍住民が暮らしています。これらの住民の中にはブラジル、ベトナム、フィリピン、インドネシア、中国など、多様な国からの人々が含まれており、町内の製造業で働いています。従来の情報提供は主にポルトガル語に頼っていましたが、住民構成の変化に伴い、より多くの言語での情報発信が求められるようになりました。
近年、2020年に新型コロナウイルスが流行し、その影響で外国籍住民からの生活相談が急増しました。中には、10年以上日本に住んでいるにもかかわらず、「救急車の呼び方がわからない」といった声もあり、情報の格差がより明らかになりました。この現実を受けて、災害時や緊急時における情報提供体制の見直しが急がれていました。
ヤラク翻訳の特長
箕輪町が導入を決めたヤラク翻訳は、以下の利点があります。
1.
複数の翻訳エンジンによる比較機能: 結果の違いを簡単に比較でき、より自然な翻訳を選べます。
2.
逆翻訳による精度低下の確認: 日本語に再翻訳することで、意図が正しく伝わるかを確認できる仕組みです。
3.
コスト面でのメリット: 初期投資や月額費用が抑えられているため、限られた予算でも導入が可能です。
4.
個人情報への配慮: プライバシーを重視した設計がされています。
5.
直感的な操作性: ITに不慣れな職員でも使いやすい設計で、業務に自然に取り入れられます。
これらの特長が自治体のニーズにマッチし、導入の決定要因となりました。
今後の展望
2025年4月の導入以降、箕輪町はヤラク翻訳を活用し、防災や生活情報の多言語化に本格的に取り組んでいます。これまで主にポルトガル語だけでなく、タガログ語やベトナム語、インドネシア語、中国語などへの翻訳ニーズが高まっています。特に、2025年度中には、防災ハザードマップを5言語で発行する予定です。
この取り組みによって、外国籍住民が更に安心して暮らせる環境を整えていくことを目指しています。
会社情報
八楽株式会社
- - 所在地: 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿16階
- - 代表取締役社長 兼 CEO: 坂西 優
- - 事業内容: 生成AIを活用した翻訳支援ツール「ヤラク翻訳」の開発・提供
- - 公式サイト: http://www.yaraku.com
箕輪町
このような取り組みが進むことで、地域の外国籍住民が一層暮らしやすくなることを期待しています。