再生医療の新たな一歩!Ceglu™マルチウェルプレートの登場
新しい医療技術の進歩が目覚ましい中、特に再生医療の分野は急速に成長しています。中でも、iPS細胞を用いた治療法は、多くの人々の命を救う可能性を秘めています。この度、積水化学工業株式会社が発売した「Ceglu™マルチウェルプレート」は、iPS細胞の培養環境を根本から変える革新製品として注目を浴びています。
Ceglu™の特長
① 動物由来成分不使用
Cegluは、完全に化学合成された細胞接着ポリマーであり、動物由来の原料を一切使用していません。これにより、細胞培養における安全性が大幅に向上し、再生医療の実現に向けた大きな一歩を踏み出します。
② 室温保存が可能
一般的な細胞接着材とは異なり、Cegluは高い室温安定性を持っています。これにより、冷蔵庫や冷凍庫に保管する必要がなく、手間を減らすことができるのです。研究者にとって、作業環境の整備が大幅に簡便化され、効率的な研究が可能となります。
③ 培養前の準備不要
特筆すべきは、Cegluが施された培養プレートでは、さらに事前の準備作業が不要である点です。これにより、細胞培養を行う際の時間短縮が実現され、迅速な実験が可能に。
Ceglu誕生の背景
積水化学は、この細胞接着ポリマー「Ceglu」を開発するにあたり、様々な健康課題の解決を目指しました。特に、希少疾患や高齢化、怪我など、現代の医療が直面する問題に対して、再生医療が果たせる役割の大きさに注目しての開発です。この研究は、京都大学との共同開発に基づき実施され、高い均質性と安定性を持つ培養環境の確立が求められました。
Ceglu™の使用方法
Cegluは、溶液化してさまざまな素材の表面を容易にコーティングできる特性を持っています。これにより、研究者はコストと時間を大幅に削減し、細胞培養を行うことが可能です。特に、iPS由来の心筋細胞への分化やセル ライフサイエンス技術との組み合わせによって、さらなる成果が得られています。
Cegluの特徴的な活用事例
実際に積水化学が提供するCeglu™マルチウェルプレートを利用した実験では、iPS細胞由来の心筋細胞において、均質な細胞培養条件を提供し、細胞品質の再現性を向上させることが可能となりました。
さらに、Cegluのコーティング技術を利用して、不織布やマイクロキャリアへのコーティングが行え、細胞培養をスケールアップする際の最適化に寄与しています。
今後の展望
積水化学は、この革新的なCeglu™マルチウェルプレートを通じて、再生医療の分野における様々なニーズに対応していく予定です。販売は積水メディカル株式会社を通じて行われ、研究者や医療機関からの期待が高まっています。
細胞接着ポリマー「Ceglu」は、私たちの未来の再生医療において、より良い成果を生むための重要なツールになることでしょう。
【お問い合わせ先】
積水メディカル株式会社
E-mail: smd-adme@sekisui.com
積水化学工業株式会社
E-mail: support_life@sekisui.com
今後も、革新が続く再生医療の発展に注目していきたいと思います。