Z世代が描く理想の学校像と学びの環境の新しいカタチを探る

Z世代が描く理想の学校像とは

『Go通信制高校』を運営する株式会社プレマシードが、Z世代を対象に行った「理想の学校調査」の結果が興味深いものとなっています。この調査では、特にコロナ禍以降の学習環境や価値観を形成している、2002年から2010年生まれの高校生に焦点を当てています。調査は2025年8月8日から8月18日まで実施され、600人の高校生が参加しました。

理想の学校環境

まず、理想の学校環境について質問したところ、最も多くの支持を集めたのは「居心地がよく、学びやすい環境が整っている」という項目で54.8%が選択しました。これは、自分のペースで学ぶことの重要性が高まっていることを示しています。次に多かったのは「自分のペースで学べる」という回答で54.3%、続いて「相談しやすい先生や大人がいる」が44.8%、そして「自由度が高い」が36.8%でした。これらの結果から、Z世代は心地よく、個々の学び方に合った環境を重視し、サポートを求める姿勢が見えます。

理想の勉強の条件

次に、理想の勉強条件についての調査結果です。「教え方がわかりやすく、やる気を引き出してくれる先生がいる」という条件が50.3%で最も高い支持を得ました。これに続き、将来や社会に繋がる学びができること（40.5%）や、主体的に学ぶことができる（34.8%）、得意なことを伸ばせるカリキュラム（34.7%）という回答が挙がっています。これは、Z世代がただ与えられた知識を受け取るだけでなく、主体的な学びや将来への繋がりを求めていることを示しています。

学びのモチベーション

また、勉強に対するやる気が出る瞬間についての質問では、目標があるとき（55.3%）という回答が最も多く寄せられました。これは、明確なビジョンを持っていることが重要であり、自分の目指すものを意識することでやる気が引き出されるということです。さらに、自分の得意な教科や興味のあることが多いときにも高い支持を得ており、Z世代は自分自身に合った学びのスタイルを求めていることが分かります。

生成AIとデジタルツールの活用

興味深いのは、Z世代が生成AIやアプリ学習に対して持つ印象です。「自分のペースで学べるのが良い」という回答が48.3%と多く、デジタルツールは学びの主な手段として受け入れられています。ただし、実際の学びの条件に対してはデジタルツールの整備が低く評価されている点も見逃せません。これからの学びには、デジタル技術をどう活用するかがカギとなるでしょう。

多様性と人間関係

さらに、Z世代は多様性に対する意識も高く、「自分と違う考え方も尊重したい」という点で43.3%が支持を表明しました。しかし、実際につながりたい人としては同じ価値観を持つ人を求める傾向もあり、彼らのコミュニティ形成におけるジレンマも見えてきます。

相談先としての生成AI

最近の傾向として、生成AIが相談先としても利用され始めており、「母」や「友人」に次ぐ支持を集めています。特に女性の15〜18歳は生成AIを相談相手として利用する傾向が高いとのこと。これにより、今後の学びやコミュニケーションの形態がさらに進化していく可能性があります。

新しい学校のカタチ

プレマシードの代表である岩田彰人氏は、これらの結果からZ世代が求める学びやコミュニティ形成の柔軟性を指摘しています。特に、通信制高校はオンライン学習の充実に加え、プロジェクト型学習などを取り入れることで、Z世代の「理想の学校」となる可能性を秘めています。多様な価値観に触れ、自分らしく学べる環境が求められている中、これからの教育はどう変わっていくのか、その行方に期待が寄せられています。