「AIを用いたメディカルチェッカーの革新
この度、scheme verge株式会社が株式会社博報堂メディカルのために開発した「AIメディカルチェッカー」が、医療業界に革命をもたらすことが期待されています。このソフトウェアは、日本製薬工業協会の作成要領に基づいて、メディカルチェック作業を迅速かつ高精度で行うことを目的としています。これまで人手で行っていた作業の時間を大幅に削減し、審査基準の標準化や品質向上を実現します。
開発の背景
医療用医薬品のマーケティングにおいて、メディカル審査は非常に重要です。しかし、新薬承認までの時間を短縮するためには、ブルーブックと呼ばれる、日本製薬工業協会が作成した規定に従った複雑な手続きが必要です。これにより、メディカルライターが本来注力すべき業務に影響が出ていました。
特に博報堂メディカルでは、メディカルライターの業務の約40%がメディカルチェックに費やされており、業務の効率が低下しています。これは業界全体に影響を及ぼす問題となっており、この状況を解決するために、AI技術の導入が進められました。
ソリューションの特徴
「AIメディカルチェッカー」は以下のような特性を持っています。
1.
包括的チェック:ブルーブックに基づいた要点を正確に網羅し、手動でのチェックでは見落としがちな部分もカバーします。
2.
作業工数の削減:大量の文書を迅速に解析することで、手作業にかかる時間を大幅に短縮します。
3.
高い信頼性:メディカルライターの暗黙知を取り入れ、特許技術として組み込むことで専門性を保ちつつ高精度なチェックを実現します。
4.
専門文書の構造化解析:AIが自動で専門文書を解析し、効果的なチェックを行います。
この「AIメディカルチェッカー」を用いることで、メディカルチェックの効率が格段に向上し、メディカル審査関連の業務も大変スムーズになります。また、博報堂メディカルが蓄積してきた専門的な知識も反映されているため、クオリティの向上も期待されます。
出展情報
本製品は2025年7月9日から11日まで東京ビッグサイトで開催される「第1回ファーマ DX EXPO東京」に出展され、デモンストレーションも行われますので、興味のある方はぜひご訪問ください。予約フォームも用意されていますので、事前の予約をお勧めします。
- - 会期:2025年7月9日(水)~11日(金) 10:00~17:00
- - 会場:東京ビッグサイト
- - ブース:南3・4ホール 4F 小間番号:S23-10
研究発表
この製品の技術的背景は、2025年度の人工知能学会全国大会で発表されています。論文名は「医療用医薬品プロモーションツール制作における AI 活用による価値創造とエンパワーメント」で、学会における反響も大きいことが示されています。
著者は、博報堂メディカルの小泉直子社長をはじめとしたメンバーで構成されています。
今後の展望
博報堂メディカルはこの新たな技術を用いて、今後さらに高度な機能や文書生成機能の実装を目指しています。AI技術を駆使することで、製薬会社のマーケティングや販促活動の支援も強化していく方針です。これにより日本の医療業界に新たなイノベーションが期待されます。
scheme vergeの紹介
scheme vergeは、東京大学発のAIスタートアップで、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するための企業です。業界を横断したデータ連携により、あらゆる業種において効率的なマネジメントシステムを実現することを目指しています。医薬業界におけるAI・自動化ソリューションの構築を通じて、社会全体の品質向上に寄与しています。
お問い合わせ
詳しい情報やお問合せは、博報堂メディカルの公式サイトを参照してください。