AIを活用したキャラクターIP監修プラットフォーム「AIPEX」の誕生と展望

AIを活用した「AIPEX」がキャラクターIP監修の新たな風を

2025年9月16日、AI技術を活用したキャラクターIP（知的財産）監修業務を効率化する新たなプラットフォーム「AIPEX™（アイペックス）」が株式会社AIPEXから発表されました。この会社は、NTTドコモのスピンアウト企業として設立され、代表の大城敦司氏を中心に、奥村康生氏、中里健也氏が加わり、事業を展開しています。

1. 「AIPEX」の誕生背景

「AIPEX」は、株式会社NTTドコモが展開する新規事業創出プログラム「docomo STARTUP®」から生まれました。2024年度に開催されたdocomo STARTUP DAYでは、金賞を獲得するなど、その将来性が評価されました。今後は、キャラクター、アニメ、マンガ、ゲームといった多様なIPビジネスにおいて、標準的な監修インフラを築くことを目指しています。

日本のキャラクタービジネス市場は、現在約2.7兆円にものぼり、今後も成長が期待されています。しかし、監修業務の多くはアナログ手法に依存しており、担当者には多大な負担がかかっています。AIPEXはこの問題を解決し、IPホルダー（版権元）とライセンシー（IP使用者）が同じプラットフォーム上で効率的に業務を進められる環境を提供します。

2. 特徴と利点

AIPEXの主な機能は、監修業務の効率化を図るためのものです。従来の監修プロセスでは、メールやチャットを用いて行われるアナログな手法が中心でしたが、AIPEXでは全てが一元管理され、進捗が可視化されます。

具体的には、提出された制作物を、登録されたガイドラインや過去のデータと照合し、AIがチェックを行います。これにより、監修担当者の負増を抑え、彼らはよりクリエイティブな業務に集中することができるようになります。また、AIによって監修業務が自動化されるため、これまでのチェック作業は大幅に軽減されます。

3. インパクトと今後の展望

AIPEXを導入することで、過去の実証実験により、監修作業にかかる時間が平均で60%削減されたというデータも得られています。これにより、コスト削減が可能になるだけでなく、監修の質も安定化します。その結果、IPホルダーは新規ライセンス案件の受注を逃すことが少なくなり、ビジネスの成長を加速させることが期待されます。

さらに、AIPEXは個別の監修事例を継続的に学習し、ナレッジを蓄積することで、品質の均一化を図ります。これにより、担当者の異動や退職によるナレッジロスのリスクも最小限に抑えられます。

4. まとめ

AIPEXは、キャラクターIP監修業務のデジタルトランスフォーメーションを実現する新たなプラットフォームであり、今後の成長が非常に楽しみです。IPビジネスを営む企業にとって、その導入は必須となるでしょう。また、AIの活用により、より多くの機会を生かし、未来のエンタメ産業を牽引する存在になることを期待しています。

詳細な利用料金やお申込方法については、AIPEXのコーポレートサイトにてご確認ください。