未来を見据えた資源循環モデルの構築
株式会社komham(コムハム)とシークス株式会社(SIIX)が東京都の「グローバルサウスGX実証補助金」に採択され、新たな共同事業を開始します。このプロジェクトは、特にフィリピンやインドネシア、タイ、シンガポールを対象に、革新的な生ごみ処理技術を活用した資源循環モデルの構築を目指しています。複雑化する廃棄物処理問題に立ち向かうための取り組みとして、非常に意義深いものとなります。
生ごみ問題の深刻化
東南アジア各国では、生ごみの処理が大きな課題となっており、焼却や埋立地が逼迫しています。特に、フィリピンでは焼却が禁止され、インドネシアでは埋立地の不足が問題視されています。このような状況の中で、メタンガスの排出量が増加し、気候変動にも影響を及ぼしています。そのため、持続可能な廃棄物処理技術の導入が急務となっています。
株式会社komhamの技術
komhamが開発した「スマートコンポスト®」は、生ごみを最短1日で98%も分解することが可能な画期的な処理機です。この機械の特長には、以下のようなポイントがあります:
- - ソーラー駆動で、CO₂排出ゼロの運用
- - 微生物群「コムハム」による高速分解能力
- - IoTを活用した遠隔管理機能を搭載し、都市部から離島まで幅広く対応
これらの機能が評価され、現地の環境条件に適した解決策とされています。
東南アジア展開に向けた連携
komhamは、この事業を進めるにあたり、SIIXとの連携を強化しています。SIIXが持つ東南アジアのネットワークと流通体制を活かし、現地での調査や導入支援を行う予定です。
- - komhamの役割:コムハムの供給、技術開発、モデル構築、技術検証
- - SIIXの役割:現地の法人による調査、顧客開拓、物流体制の構築、運用サポート
このように、両社の協力によって資源循環モデルをスムーズに構築し、持続可能な社会の実現に向けた道を切り開きます。
3カ年計画の概要
事業は短期的な成果を追求し、2026年にはマスタープランを策定し、各国での市場調査を開始します。2027年には現地に4台の「スマートコンポスト®」を設置し、実証を行います。その後、2028年以降は、学んだ知見を活かして本格的な事業化を進め、さらなる展開を狙います。このように、ステップライブで進める計画が立てられています。
中東展開の調査も行われる
また、komhamはサウジアラビアでの視察を行い、砂漠地域のバイオマスや大規模ホテルの廃棄物処理の課題を調査しました。これにより中東地域への導入可能性も視野に入れた技術・運用面での適応性を評価する予定です。
最後に
両社の代表者は、継続的な協力と進化を約束し、アジア地域の生ごみ問題を解決するために、持続可能な資源循環の実現に向けて責任を持って取り組む意向を示しています。これは単なるビジネスの展開ではなく、環境への配慮を深め、地域社会に貢献する重要なステップであり、今後の進捗に注目です。