ファストドクターが開発した新システム
ファストドクター株式会社が創業10周年を迎えるにあたり、医療機関の運営基盤を強化する取り組みとして新たな自動化システム「算定エージェント」を発表しました。このシステムは、外来の診療報酬算定業務の効率化を図るもので、日本国内では初めての試みです。熊本県にある谷田病院での実証実験では、外来算定業務にかかる工数の約8割を削減することに成功したといいます。
医療機関が直面する課題
医療機関での診療報酬の算定業務は、非常に高度な専門性を求められる作業です。国が定める点数表に基づいて保険請求を行うためには、正確な算定要件と施設基準の遵守が不可欠です。このため、医療現場では専門的な知識を持った人材の確保が重要とされています。しかしながら、特に地方の医療機関では人手不足が深刻であり、熟練したなスタッフへの依存が常態化しています。
「算定エージェント」の特長
従来の算定支援ツールは、業務の最終判断が必ず人に依存していました。しかし、「算定エージェント」は電子カルテの情報を活用し、診療報酬の自動算定を行います。さらには、算定結果をレセプトコンピューターに反映し、患者への請求書も自動的に作成されるなど、業務の全過程を自動化する点が画期的です。機能はすべて人手を介さずに行えるため、業務の効率化はもちろん、ヒューマンエラーの削減にも寄与します。
システムの柔軟性
「算定エージェント」が成功した背景には、各医療機関の業務プロセスに応じたカスタマイズが可能という特性があります。施設ごとに異なる電子カルテの構成や業務フローに対応できる柔軟性があり、これにより多種多様な病院のニーズに応えることが可能になったのです。これまではほとんどの施設で個別に運用されていたため、全てを統一的に離婚することが難しかったのです。
熊本県での実証結果
特定医療法人谷田会の谷田病院では2025年11月からシステムの実証を開始し、特定の診療科で外来算定業務の8割を効率化しました。人口約1万人の甲佐町では、地域的な過疎化・高齢化が進む中で、専門的な事務スタッフの確保が難しいという状況が続いています。このシステムの導入により、院内の業務効率が大きく改善し、より患者に向き合う時間を増やすことが期待されています。
谷田病院の事務部長、藤井将志様は、システム導入により、医療現場の質が向上したことを述べています。「診療が終わった後の領収書や明細書が半自動で印刷され、専門の事務員が算定業務に集中できる環境が整いました。患者さんからの電話対応なども行う中で、業務の正確性も大きく向上しています」とのことです。
ファストドクターの理念
ファストドクターは、創業以来救急往診やオンライン診療を支援してきた実績を持ち、医療機関の事務業務を幅広くサポートしています。この「算定エージェント」も、今後の本格利用を考慮し、対応する電子カルテやレセプトコンピューターを多様化させる予定です。
今後の展望
同社は、2040年問題に備え、医療における人材不足がさらに進むと言われています。その中でテクノロジーの活用を通じて、生産性向上を図り、安定した医療提供体制の実現に寄与するとしています。今後も算定業務の自動化は続く見込みで、地域医療への具体的な支援を行っていく姿勢を示しています。ファストドクターはこれからも、医療現場の効率化と質の向上を目指して新たな挑戦を続けます。また、医療機関向けの運営基盤を強化する役割を果たすことを目指します。