マントル細胞リンパ腫の新治療
2025-03-27 14:33:22

アッヴィ、マントル細胞リンパ腫治療薬に新たな適応追加を発表

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長:ティアゴ・カンポス ロドリゲス)は、新たに抗悪性腫瘍剤である「ベネクレクスタ(R)錠」(一般名:ベネトクラクス)が、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)治療薬としての適応追加承認を取得したことを発表しました。日本におけるMCLは、非ホジキンリンパ腫(NHL)の症例全体で約3%を占めており、推定患者数は約2,000人とされています。MCLは高齢者に多く発症し、初発時の約90%が進行期にあるという特性があります。これにより、本治療薬の重要性はますます増しています。

MCLは、リンパ節のマントル帯に由来するBリンパ球ががん化するB細胞リンパ腫であり、日本国内の患者の大半が60歳代半ばで初めて診断されることが多いです。再発や再燃が一般的であり、初回治療後に再発する可能性が高いという現状が抱えています。このような背景がある中で、ベネクレクスタは新たな治療の選択肢を提供します。

今回の承認は、海外の第III相試験(SYMPATICO試験)および国内の第II相試験(M20-075試験)の結果に基づいています。ベネクレクスタは、BCL-2と呼ばれる特定のタンパク質を標的とし、アポトーシス(がん細胞の自然死または自己破壊の過程)を回復させることで、がん細胞を効果的に制御します。

また、ベネクレクスタは、再発または難治性の慢性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病に続く適応症の追加が行われました。特に、既存の治療法では対応が難しかった患者に対し、新たな光をもたらす役割を果たすことが期待されています。

日本においては、MCLに対する標準治療が確立されていない状況にあります。強化型化学療法に不向きな高齢者や、化学療法に対する効果が限定的な患者が多いため、ベネクレクスタの登場は特に重要です。再発治療における化学療法は効果が薄く、急速な進行が見られる場合があるため、新たな治療の選択肢は非常に意義があります。

ベネクレクスタは、イブルチニブとの併用により特に効果が高まることが期待されています。一般には段階的に用量が増加され、最終的には維持投与に至ります。詳細な治療ガイドラインや用法については、医療機関での相談が推奨されます。

アッヴィは、がん治療の分野において幅広い取り組みを行っており、血液がんや他のがん種に対する新薬の開発に尽力しています。彼らの使命は、有効な治療法の普及と、患者のQOL(生活の質)の向上に貢献することです。今回の承認により、MCLへの新たな治療の道が開かれることは、多くの患者たちに希望を与えることにつながるでしょう。詳細情報は公式ウェブサイトにて確認できます。

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