トヨクモが発表した防災調査の概要
トヨクモ株式会社が行った「企業の防災・安否確認体制に関する実態調査2026」では、従業員100名以上の企業でBCP(事業継続計画)や防災、安否確認に携わる担当者111名を対象に、企業の防災意識と安否確認体制の現状を調査しました。震災から15年を経た今、どのような課題が浮かび上がっているのでしょうか。
調査結果のポイント
震災経験者の存在
調査の結果、震災を経験した人が在籍する企業のうち、5割以上が残っている企業は31.8%にとどまりました。多くの企業では、経験者が半数未満である62.4%となっています。このことは、震災当時の教訓が企業内で十分に活かされなくなっている可能性を示唆しています。
BCPの更新実態
2026年におけるBCPの更新状況について尋ねたところ、49.5%が「一部更新しているが、十分ではない」との回答がありました。さらに、6.3%は「策定以来、一度も更新していない」とも答えています。テレワークの普及が進んでいる現代において、この更新の遅れは深刻な問題となっています。
安否確認の課題
安否確認に関しては、39.3%の企業が最初の回答集計に時間がかかることを不満として挙げ、38.3%は未回答者への再連絡の煩雑さを問題視しています。こういった手間が、緊急時での初動対応に支障をきたすことが懸念されています。
調査詳細
この調査は、トヨクモが実施し、特に安否確認のシステム導入が進んでいる企業が多い中で行われました。調査結果からは、企業の多くが震災の備えをしているものの、その実態や課題が浮き彫りになっています。
経験者の減少がもたらす影響
調査では、震災時の対応を知る社員の減少が組織のノウハウ継承を難しくしていることも指摘されています。防災訓練の頻度は年に1回が52.3%と最も多く、58.9%が教訓が形式化していると答えています。これらの結果から、経験者に頼るだけではなく、組織全体での知識共有が重要であることが分かります。
現代の働き方に求められる防災対応
テレワークやハイブリッドワークが定着している中、企業のBCPや安否確認は最新の働き方に適合させる必要があります。多様な工具が導入されているものの、社内メールが最も多く使用され、4割以上の担当者がテレワーク中の社員の所在把握に課題を抱えています。この状況は、企業のBCPが一元化されていないことを示しています。
提案される対策
トヨクモの調査担当者は、経験者や特定のスキルに依存しないBCP体制の構築が求められるとしています。属人的な運用から脱却し、どのような環境においても社員を守る組織づくりが急務です。今後の防災対策として、自動集計機能や未回答者への通知機能を持つ安否確認システムの導入が一つの解決策となり得るでしょう。
まとめ
防災意識の向上と安否確認体制の強化は、企業の責任です。トヨクモの調査結果は、企業が直面する防災の現状と課題を再認識させるものであり、今後の対応策を模索する上での重要な資料となります。このような調査を通じて、企業はより強固なBCPや安否確認体制の構築に向けて進んでいくことが必要でしょう。