スマホカメラで非接触型バイタルセンシングを実現
健康管理がますます重要視される現代において、株式会社ArkthとIKIジャパンが共同で開発した新しい「非接触型バイタルセンシングシステム」は、私たちの健康管理の常識を変えようとしています。このシステムは、特別なセンサーを必要とせず、スマートフォンやPCの標準カメラを用いて、わずか15秒の撮影で血圧や脈拍を測定できる画期的な技術です。
1. 技術の背景と開発の経緯
Arkthは、東京都渋谷区に本社を置く企業であり、IoT技術の研究開発を行っています。一方、IKIジャパンは慶應義塾大学から生まれたスタートアップで、感性工学を専門とし、生体信号解析の技術を持っています。両者は、それぞれの強みを活かし、共同で非接触型バイタルセンシングシステムの開発に取り組みました。
満倉教授は、感性工学と生体信号解析の融合を目指して、長年研究を続けてきましたが、この共同研究によって、従来の非接触測定が難しかった高精度な測定を実現しました。この技術は、従来のカフ式血圧計に比べても高い精度を誇り、実証実験では250件以上のデータを収集し、十分な信頼性が確認されています。
2. 課題解決に向けたアプローチ
日本国内には約4,300万人もの高血圧患者がおり、日常的な血圧管理の重要性が叫ばれています。しかし、従来の測定方法には以下のような課題がありました。
1.
物理的負担: 腕帯の装着が面倒で、外出先での測定が難しい。
2.
心理的負担: 血圧測定がストレスとなり、逆に血圧が上昇する可能性がある。
3.
オンラインの限界: 血圧を測るためには専用の機器が必要で、リアルタイムで確認することが難しい。
このような悩みを解決するため、ArkthとIKIジャパンは共同研究をスタートさせ、新たなシステムの開発を進めました。
3. システムの特徴
本システムには、以下の3つの画期的な特徴があります。
3.1 高精度推定
満倉教授の独自のノイズ除去アルゴリズムを使用し、周囲の環境や被験者の動きの影響を受けない高精度な測定を実現しています。
3.2 汎用デバイスの使用
専用のセンサーや高価なウェアラブルデバイスは不要で、既存のスマートフォンやPCのカメラを活用することで、導入コストを抑えつつ、高い利便性を実現しました。
3.3 さらなる拡張性
この技術は、単に血圧や脈拍を測定するだけでなく、今後は脳波から感情を可視化する技術とも連携し、ストレス状態や集中度を測定する機能も追加する予定です。
4. 今後の展望
この技術は、オンライン診療や労働環境での体調管理、高齢者見守りサービスなど、幅広い分野での応用が期待されています。Arkthは、この技術を通じて、さらなる社会実装を進めていく予定です。
5. 開発者からのメッセージ
満倉靖恵教授は、「血圧や脈拍の測定は重要ですが、その手間や心理的負担が課題でした。非接触で毎日の測定ができる本技術は、健康管理をより自然に日常に取り入れる可能性があります」とコメントしています。
新屋勝啓氏は、「私たちの目標は、高度なテクノロジーを社会に実装し、持続可能なビジネスとしてサポートすることです。今回の技術は、その一環に過ぎません」と述べています。
今後も、ArkthとIKIジャパンがともに手を取り、さらなる技術開発と社会実装を進めていくことが期待されます。私たちの健康をよりスマートに管理する未来に向けて、目が離せません。