歴史的建造物の再生を目指す！中西家住宅プロジェクト始動

歴史的建造物の再生を目指す !中西家住宅プロジェクト始動

岡山県倉敷市の下津井地区にある「中西家住宅」が注目を集めています。築120年を迎えるこの歴史的建物が、地域の文化を守り伝える拠点として再生されるプロジェクトが始動したのです。株式会社ガイアックスの子会社である株式会社Planet Labsは、地域と共に文化財を保全する新たな支援プログラム「Supported by PlanetDAO」を立ち上げ、資金調達を行う運びになりました。このプロジェクトは古民家再生の典型例であり、地域の人々の協力を得て、未来に向けた新たな形を創造するものです。

中西家住宅とは？

中西家住宅は、かつて下津井の商港として賑わいを見せた時代において、海運業を支えた名家、廻船問屋の社屋として建てられました。その独自の意匠と伝統工法は、そのまま文化遺産としての重要性を裏付けています。しかし、空き家となった後は急速に老朽化が進行し、取り壊しの危機に瀕していました。

2017年には倒壊の危険があるとのことで、駐車場や分譲地にする案まで浮上しました。地域の住民や行政が協力し、取り壊しを回避したものの、約3億円という改修費用は厳しい壁となり、再生への道は長いものでした。

地域の思いと挑戦

このプロジェクトを立ち上げたのは、2021年に東京から下津井に移住した長谷川達也氏です。地元の人々とともに暮らす中で、長谷川氏は中西家が地域にとってどれほど重要な存在であるかを実感しました。「この建物だけは未来に残したい」という地域住民の強い思いを知り、彼自身の使命感が芽生えました。

長谷川氏は2023年に「株式会社あかつき」を設立し、地域の協力を得て宿泊施設「下津井宿風待汐待」を開業。しかし彼のビジョンは続き、中西家の本格的な再生が次なる目標です。これまでの経験が自信に変わり、さらなる挑戦の時が来ています。

プロジェクトの内容と展望

本プロジェクトのPhase Iでは、中西家住宅内の2棟を改修し、宿泊施設と文化交流の場として整備します。宿泊施設には「倉敷の日本遺産を体感する宿」というコンセプトが掲げられ、歴史情緒と現代の快適さを兼ね備えた空間が創出される予定です。また、蔵は多目的スペースとして音楽イベントなど様々な文化体験を提供する場所となります。

2027年1月には開業を予定しており、地域の魅力を国内外に発信する拠点として復活を果たします。この宿泊施設は、文化財としての役割にも寄与し、地域経済の活性化にも貢献することが期待されています。

資金調達の仕組み

プロジェクトの資金調達は、500万円からの少額でも自分の意思を地域の未来に投資することができる仕組みです。特典として、定期的な進捗報告や宿泊の優待を受けられるプランも用意されています。これにより、多くの方がこのプロジェクトに参加し、一緒に歴史的建物を守る仲間になることが可能です。

オープンまでの道のりは険しいものですが、地域の協力と情熱が重なり、未来の下津井を確実に形作る企画となっていくでしょう。中西家住宅の再生は、地域文化を守る新たなモデルを示す重要なプロジェクトであり、地域にとっての誇りと希望を結集させる取り組みとなります。

最後に

中西家再生プロジェクトは、単なる建物復旧ではありません。「300年後の下津井をどう残すか」という壮大な挑戦が始まります。未来を見据えた取り組みを、多くの人々と共有し、地域の誇りを未来に繋いでいくこと。それが、このプロジェクトの大きな意義です。ぜひ、プロジェクトの進展に注目し、地域の未来をつくる一員になりましょう。