田島享央己の個展「This Boy」が天王洲で始まる過去と未来の交錯

田島享央己の新たな個展「This Boy」

東京・天王洲に位置するgallery UG Tennozで、2025年10月24日（金）から11月15日（土）まで、彫刻家・田島享央己の個展『This Boy』が開催されます。この個展は、田島氏にとって5回目となる展示であり、彼の独自の視点と深い技術を感じることができる貴重な機会です。

田島享央己は、仏師の家系に生まれ、幼少期から芸術に親しんできた背景を持っています。そのため、彼が彫刻の世界に入ることは自然な流れでした。彼は伝統的な技法を大切にしながらも、木彫を中心に、近年はドローイングや陶芸なども取り入れた多様な作品を創造しています。こうした彼の幅広い表現は、現代美術における新しい提案を生み出しています。

展示内容と込められたメッセージ

「This Boy」と名付けられた本展では、田島氏が手掛けた木彫作品と新作の平面作品が展示されます。特に木彫作品は、象徴的なフォルムと繊細な質感を兼ね備え、鑑賞者にユーモラスでありながらも緊張感を与えます。彼の言葉の中にある「無垢の影に」や「愚直さ」というテーマは、作品内容に深く反映されており、観る者に強烈な印象を残します。

田島氏は作品を通して、単純さの奥にひそむ力や、道化が奏でる真剣な音色に共鳴し、相反する感情を抱える彫刻の本質を追求しています。このような作風からは、寂しさや怒り、笑いなどの多様な感情が滲み出てきます。田島の彫刻は、見る者に新しい視点を提供し、感情の深層に触れる機会を与えてくれることでしょう。