岡山「奇跡の町」奈義町の英語教育が進化する理由とは！？

岡山「奇跡の町」奈義町の英語教育が注目される理由

岡山県北部に位置する奈義町。この小さな町は、2019年に合計特殊出生率が2.95を記録し、「奇跡の町」として全国に名を馳せています。それもそのはず、人口約5,500人の奈義町では子育て支援に力を入れており、最近では子どもたちの英語教育に新たな動きが見られます。

フィリピン人英語講師の派遣が始まる

そんな奈義町に、2024年4月から全国初となるフィリピン人英語講師の派遣がスタートしました。株式会社アチーブゴールが全国のALT英語講師を派遣しており、奈義町には12名の講師が配置されます。全児童290人の奈義小学校には、各学年1人ずつ、合計6人のフィリピン人講師が授業を担当。これにより、週1回の英語授業に外国人講師全員が関与し、より実践的な英語教育が行われています。

一方、全校生徒139人の奈義中学校では、3名の講師が派遣され、実際に指導を受けた生徒たちの反応は上々です。授業を担当する佐藤大介教諭は「生徒たちの文法ミスが減り、英語への苦手意識がなくなった」と実感しています。日本ではなかなか珍しい、実践的な英語教育が奈義町で実現しつつあるのです。

早期英語教育への取り組み

さらに、奈義町では0歳から5歳までの子供たちが通うこども園にも英語教育が導入されています。こども園には3人のALTが配置され、早期から英語に触れる環境が整えられています。日本の一般的な公立校では、小学校3年生から英語教育がスタートしますが、奈義町ではこども園の3年間や小学校1～2年生の間に200時間以上の英語授業を受けることができる計画が進行中です。

他地域との比較

文部科学省のデータによれば、ALT（外国語指導助手）の全国平均配置率は公立小学校で1,000人あたり2.9人、中学校で2.7人です。それに対して、奈義町はこども園、小学校、中学校を合わせて約40人に1人という高い比率で、広く英語教育を受けられる環境が整っています。この点において、奈義町は日本一と言えるのです。

この取り組みを支えるのが、同志社大学の坂本准教授です。彼は奈義町の英語教育のスーパーバイザーとして、質の高い教育が実現できるよう指導にあたっています。そして、奈義町の子どもたちは、新しい学びの場を享受し、未来の国際社会に向けて大きく羽ばたく準備を進めています。