伝説のヒップホップデュオMobb Deepが最後のアルバムをリリース、新世代とのコラボも実現

Mobb Deepが最後のアルバム『INFINITE』を発表

伝説のヒップホップデュオMobb Deep（モブ・ディープ）が、ニューアルバム『INFINITE』をリリースしました。本作は、米Pitchforkが「2025年史上最高のラッパー」として選出した彼らにとって、これまでの活動の集大成ともいえる重要な作品です。特に、創設メンバーのProdigy（プロディジー）が2017年に他界してから初のフルアルバムとなります。

このアルバムは、歴史的な背景を持ちつつ、前作から17年、Prodigyの逝去から約8年の時間を経て制作されました。Havoc（ハヴォック）は、敬意と新たな情熱を持って、经典なニューヨークの荒々しさと深い内面的な想いを融合させた楽曲を提供しています。音楽ファンにとっても、特別な意味を持つ作品に仕上がっています。

アルバム『INFINITE』の魅力

『INFINITE』には、Mobb Deepの文化的遺産へのオマージュだけでなく、新世代のアーティストたちとのコラボレーションが多数含まれています。世代を超えてNas（ナズ）やRaekwon（レイクウォン）、Ghostface Killah（ゴーストフェイス・キラー）、Big Noyd（ビッグ・ノイド）らが参加し、さらにJorja Smith（ジョルジャ・スミス）やH.E.R.（ハー）の声も加わりました。

Havocは、Prodigyのヴォーカルを選ぶ際に「まるで乞うような気持ちだった」と語っています。彼にとって、相棒の存在は非常に大切でした。まさに、彼の声を通じてこのアルバムは過去からの力を引き出し、未来へとそのエネルギーをつなげる重要な作品となっています。

リードシングル「Down For You」

アルバムのリードシングル「Down For You」にはNasとJorja Smithが参加しています。このトラックは、Havocの緻密なプロダクションとJorjaの表現力豊かなボーカルが見事に融合し、聞く者の心を掴みます。歌詞には、愛による痛みを乗り越え、Mobb Deepが持っている力を強く表現しています。

Havocは、「Mobb DeepとJorja Smithの組み合わせは意外かもしれないが、私は意外性を楽しむ。彼女の声が曲に新しい感情の層を加えてくれた」と話します。音楽ビデオでは、その感情的な深さが視覚でも表現され、痛みを成長へと変える様子が描かれています。

Mobb Deepのレガシー

Mobb Deepは、単なるヒップホップグループを超えた存在です。彼らの音楽は、ニューヨークのクイーンズブリッジから発信されるリアルな感情を捉え、聴衆に新たなインスピレーションを与えてきました。1995年の名作『The Infamous』をはじめとする彼らの作品は、いまなお新しい世代に影響を与えています。

『INFINITE』は、2025年にリリースされるMobb Deepの最後のアルバムとして、グループとファンにとっての集大成。彼らの音楽が過去から現在、そして未来にわたってつながり続けることを示しています。『INFINITE』がリリースされたことで、Mobb Deepのレガシーはただ記憶されるだけでなく、新たに進化し続けているのです。