人流ビッグデータを活用した不動産研究が公表
日本最大の不動産鑑定機関である一般財団法人 日本不動産研究所と、パシフィックコンサルタンツ株式会社は「全国うごき統計」を利用した共同研究を発表しました。本研究は、都市における人の移動データの活用可能性に焦点を当て、特に住宅分野での利用方法を探ることを目的としています。
研究の背景
近年、ビッグデータの進展が進む中、特に人流データの活用は商業や交通分野では普及しているものの、住宅市場ではまだ一部の領域にとどまっています。このような背景から、研究者たちは全国の人流データを基に地域の転入者の動向を分析し、都市の新陳代謝について明らかにしようと試みました。
研究手法と結果
今回の研究では、JR中央線沿線の8駅を選定し、その駅周辺の人流データを解析しました。例えば、国分寺駅、三鷹駅、吉祥寺駅、荻窪駅といった地域は学生狙いで、特に20代の転入者が多いことが分かりました。一方で、三鷹駅は比較的落ち着いた雰囲気のある地域であり、60歳以上の転入者が他駅に比べて多いことも判明しました。このデータから、各地域の特性が異なることが浮き彫りになりました。
この研究結果は、季刊誌『不動産研究』第67巻第1号に詳細が掲載されています。定価は1,100円(税込)で、誰でも購入可能です。
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今後の展望
パシフィックコンサルタンツは、不動産業界のみならず、観光や商業、交通、インフラなど他の産業分野と共に人流データの活用法について議論を深めています。「全国うごき統計」「全国インバウンド統計」「検索×位置情報サービス」など多種多様な人流データソリューションを提供しており、基本的な利用法から高度な分析に至るまで幅広く対応しています。今回明らかになった知見をもとに、データの集計精度を向上させ、さまざまな属性情報を広げていくことで、不動産事業にさらなる価値をもたらすことを目指しています。
全国うごき統計とは?
「全国うごき統計」は、パシフィックコンサルタンツとソフトバンクが共同で開発した人流統計データサービスです。このデータは、住所や年齢層、性別などの居住者属性に関する情報を集計したもので、特に匿名化された位置情報データの活用が特色です。人の移動に関する多様なデータは、都市計画やまちづくり、商業分野、観光業など、あらゆる場面での意思決定材料として利用可能です。
パシフィックコンサルタンツについて
1951年に設立されたパシフィックコンサルタンツは、70年以上にわたり建設コンサルタント業界のリーディングカンパニーとして活躍してきました。都市計画やアクセス整備、まちづくりの分野で豊富な経験と知識を持ち、持続可能な社会の実現に向けた新たな価値を提供しています。
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この機会に、是非最新の研究成果と人流データの活用方法に触れてみてはいかがでしょうか。