羽田に誕生するデジタル映像制作の新拠点
日本の映像界に革新をもたらす、世界最大級のデジタル統合スタジオが羽田に誕生します。株式会社クレッセント(東京都江東区、代表取締役小谷創)は、東京都大田区昭和島にある羽田鉄工団地協同組合内の敷地4,100平米を取得し、2026年2月の完成を目指して新たなLEDバーチャルプロダクションスタジオを開設することが発表されました。このスタジオは、最先端の映像制作技術を駆使し、さまざまな産業のデジタル化を実現する拠点として位置づけられています。
スタジオの概要と特徴
新設されるスタジオは、2つの主な棟から構成されます。ひとつはLED Stage棟で、サイズは40m×30m、高さ15m。台湾のAUO社が特別に開発した1.95mmピッチ、2,000NITSのLEDが中核を成します。この棟は、トラッキングデバイスとしてVICON社のValkyrie VK26とService Vision社のScorpio 35'テレスコーピッククレーンを備え、デジタルシネマ用のSONY VENICE 2も標準装備される予定です。これにより、柔軟かつ高品質な映像制作が可能になります。
もうひとつのProduction棟では、VolumetricsシステムやEsper社のPhotogrammetryシステムを導入したスタジオが2つずつ設置され、さらにモーションキャプチャや音声収録が行えるスペースも確保されます。撮影時には複数の楽屋も用意され、快適な環境での制作が期待されます。これにも、イメージスタジオ・イチマルキュウ社の協力があり、最新の設備と機材による運用が行われます。
快適な空間作りと利用方法
新しいスタジオでは、映像制作だけでなく、カフェテリアや打ち合わせブースも設けられ、リラックスした雰囲気での商談や小規模なイベントも実施可能です。屋上にはオープンスペースが設けられ、羽田空港や富士山の美しい景色を背景にした撮影も行えます。ここでは、自然光を生かしたグリーンバック撮影も視野に入れています。
安全対策と国際展開
クレッセントは、オープンに向けてTPN(Trusted Partner Network)のセキュリティ審査を受け、国際的な顧客獲得を目指すと言います。このスタジオは、海外の映像制作会社やクリエイターにも利用されることを念頭に設計されており、アジアを中心に多様なクライアントを迎え入れる計画です。
資金調達とパートナーシップ
建設の総合設計施工を担当するのは田中土建工業株式会社で、資金調達は阿波銀行や商工組合中央金庫との共同アレンジャーとして行われています。これらの支援により、クレッセントは長期的な成長戦略を捉え、国内外の映像業界に新たな可能性を提供し続けることを目指しています。
企業の歴史と使命
株式会社クレッセントは1999年に創業し、イメージエンジニアリングを通して日本の産業発展に貢献することを目標に掲げています。今後も、革新的な映像制作技術を駆使し、クライアントのニーズに応じたソリューションを提供することで、映像の力を通じた新しい未来を切り拓いていくことでしょう。
この新しいスタジオは、多くのクリエイターや企業に新たなチャンスをもたらすことが期待されています。羽田の地に登場するこのデジタル映像制作拠点に、今から期待が寄せられます。