ABEJAが切り拓く新たなAIの未来
株式会社ABEJA(東京・港区)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に参加し、プライバシーを重視したAIの開発に取り組むことを発表しました。このプロジェクトは、一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)によって進められるもので、データ秘匿性を保ちながら安全にAIを活用できる環境を整えることが狙いです。
人とAIの協調による「豊かな世界」
ABEJAの経営理念は「ゆたかな世界を、実装する」であり、企業のAI活用を実運用として成立させ、その継続的な高度化を支援してきました。今回、NEDOのプロジェクトに採択されたことは、ABEJAがこれまで蓄積した技術力と経験が高く評価された結果であり、業界のニーズに応える高性能な「産業特化型LLM」の構築に貢献する機会を得たことを示しています。
プライバシーファーストAIの必要性
現代において、多くの企業はAIの利活用を進めていますが、同時にデータ漏洩やプライバシー侵害に対する懸念を抱えています。実際には、約70%の企業がこれらのリスクを原因とし、特にミッションクリティカルな業務におけるAIの導入を慎重に行っています。
このような中、ABEJAが追求する「プライバシーファーストAI」は、企業が機密データを安全に扱えるようにすることを目的としています。具体的には、ビジネスにおいて必要とされるデータ秘匿化技術を開発し、産業特化型のAIモデルの構築を目指しています。これにより、企業は自社のデータを外部へ出さずに活用することができ、データ主権が確保される環境が整います。
CODASとの連携
ABEJAは、当該事業を進める一般社団法人CODASからの委託を受けており、彼らの目的は「安心安全なAI社会」の実現です。CODASはデータプライバシー技術の研究開発を行い、その成果をオープンソースとして公開することで、企業が安心して利用できるエコシステムの構築を目指しています。
産業特化型LLMの役割
このプロジェクトでのABDJAの役割は、産業特化型LLM(大規模言語モデル)の開発にあります。初期段階では金融・保険分野をターゲットとして、その後製造業など他の基幹業界にも適用を広げていく方針です。特に、厳格なセキュリティ要件を満たしつつ複雑なタスクを効率的に処理する能力が求められています。これを実現するために、セキュリティ技術の「コンフィデンシャル・コンピューティング」を採用し、情報の暗号化によって保護された環境で開発を進めます。
また、2026年6月には、NVIDIAの最新モデル「NVIDIA Nemotron 3」をABEJA Platformに搭載する予定であり、これによりさらに強力な実行基盤を構築することが可能となります。
結論
ABEJAは、今後もABEJA Platformを通じてAIの実運用を支援し、産業構造の変革に取り組む姿勢を崩さずに進化し続けるでしょう。データセキュリティやプライバシー侵害のリスクに直面している企業にとって、ABEJAのプロジェクトは新たな希望をもたらすものとなると期待されています。この新たな挑戦が成功するとき、私たちはAIの持つ可能性を最大限に引き出し、より豊かな社会を実現することができるでしょう。