オンラインゲームに潜む危険性
近年、オンラインゲームが面白さを増す一方で、思わぬリスクも潜んでいます。特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンが行った調査によれば、未成年者の約13%がオンラインゲーム上で性的手なづけ(グルーミング)を経験したという衝撃的な結果が出ています。これは、全国の13~25歳の男女1,600人を対象に行われたもので、特に危険が増している現状を示しています。
この調査では、知らない人からのチャットメッセージを受け取ったことがある未成年者は42%に達しており、これに対する警戒が求められています。調査に参加した大学生インターンも、ゲームが安全に楽しめるようになることを願い、企画されたともあって、非常に重要な結果が浮き彫りになりました。
グルーミングとは?
グルーミングとは、知らない人が性目的で子どもや若者に対して優しく接し、信頼を得る行為を指します。この手口はSNSやオンラインゲームのチャットにおいて非常に目立つ傾向があり、年々その被害が増加している状況です。警察庁のデータによると、令和6年には18歳未満の子どもたちがSNSやゲームを通じて犯罪に巻き込まれた数は1486人、そのうち984人はゲームが関連しています。
調査結果の詳細
調査結果によれば、オンラインゲームを利用している未成年者は全体の40%。さらに、彼らがゲームをプレイする時間帯は夜の19時から22時が多いとされており、この時間帯にリスクが高まることが考えられます。本調査では、家庭におけるルールが定められている未成年者は50%に過ぎず、これもまた危険因子の一つと言えるでしょう。さらに、特定の仲の良い人を持っている未成年者は、特に男性に多く見られ、仲良くなる理由は「ノリや趣味の一致」と分析されています。
提言と今後の課題
調査結果をもとに、子供や若者を守るための具体的な提言も挙げられています。まずは学校における相談しやすい環境の整備が必要です。また、家庭でも保護者が子どもが遊んでいるゲームを理解し、常にコミュニケーションを図ることが求められます。さらにゲーム制作者に対しては、プレイルールの表示や通報機能の改善などが提案されています。
一方で、調査には改善すべき面も明らかになりました。グルーミングに関する具体的な質問への回答が予想よりも少なかった点や、特定のゲーム名についての答えが得られなかったことなどが挙げられます。これは、ゲームの評判を落としたり、禁止されたりする恐れから来ている可能性があります。
最後に
チャイルド・ファンド・ジャパンでは、引き続き子どもたちの権利を守るために、政策提言やさらなる調査活動を実施していく方針です。子どもや若者の安全を守るためには、大人たちの理解と行動が不可欠です。さまざまなリスクが存在するオンラインゲームの世界で、安心して遊ぶための環境を整える努力が求められる今、私たち全員がこの問題に対して真剣に向き合う必要があるでしょう。