ITエンジニア志望学生の技術力不足に対する危機感
2027年度卒業予定のITエンジニア志望の学生たちが抱える「技術力不足」への危機感が、過去最高水準に達していることが、paiza株式会社が実施した調査から明らかになりました。今回の「就職活動実態調査」により、彼らの就職活動における悩みや傾向が浮き彫りになっています。
技術力不足への危機感が急増
調査によると、ITエンジニアとして求められる技術力に対する自信を持てないと感じている学生が増加しています。具体的には、26卒と比較して、「自分の技術力が不足している」という意識が高まり、2位に位置付けられました。この背景には、専門スキルの重要性を企業が強調し始めたことが考えられます。特に、ジョブ型採用の増加が大きく影響しています。
昨年までは「エントリーシートの準備や対策が大変」という悩みを抱えていた学生が多くいましたが、今年はその割合が減少し、代わりに「SPI対策の苦労」が増加し、実力勝負の重要さが増していることを示しています。
キャリアの見通しと転職意識
新卒で入社する企業への定年までの勤続を望む学生はわずか4.4%増にとどまり、新卒後4〜6年以内に転職を希望する学生が26.4%に達しました。この結果は、早期にスキルを身につけた後、自らのキャリアを積極的に形成し、新たなステージを目指す傾向を反映しています。さらに、24.3%の学生が転職や独立を考慮していることも注目されます。
企業規模と求める職種
志望企業のタイプは、大手企業と中小企業がほぼ拮抗しています。この現象は、学生たちが企業の規模に対するこだわりを薄め、自らのキャリアに合致した企業を選ぼうとする動きの表れです。実際に「ITエンジニア」の職種を志望する学生は53.4%を占め、高い専門性が求められる「Webエンジニア」や「AI・データエンジニア」に対する人気も根強いことが分かりました。
まとめ
調査結果に基づき、ITエンジニアを目指す学生たちは、従来の慣行にとらわれず、より戦略的にキャリアを形成しようとしています。「技術力不足」を不安視する声が高まる中、企業側は、内定後の研修だけでなく、入社前から学生のスキルに関する不安を解消するための施策が急務です。特に、「4〜6年以内」でのキャリア開発や社内の異動の可能性を具体的に示すことが、企業の定着率向上にもつながるでしょう。
paizaは、質の高いITエンジニアを育成するため、さまざまなプログラムを展開し続ける方針です。これからも、ITの未来を担う学生たちの意識に寄り添い、成長を支援していきます。