アルバイト・パートの賃金伸び率分析(2025年10月度)
株式会社フロッグが発表した「2025年10月度 職種別 賃金伸び率ランキング」によれば、アルバイトやパートの賃金伸び率は非常に興味深い結果が出ました。特にイベント関連の業種が大きな伸びを示し、これからの雇用動向を予測する上で重要なデータとなっています。
労働市場の概況
厚生労働省が発表した全国加重平均の最低賃金は、前年度より66円上がった1,121円に達しました。この数値は昭和53年度以来最大の引き上げ幅となり、地域ごとに施行日が異なりながらも、すでに多くの場所で新しい賃金が適用され始めています。このような背景の中で、各雇用形態の賃金動向がどのように変化しているのか、非常に注目されます。
アルバイト・パートの賃金変動
今回のレポートで特に目を引くのが、アルバイト・パートの職種別賃金伸び率ランキングです。以下がトップ3の職種とその変動率です。
1.
映像/イベント/芸能/キャンペーン - 増加額156円、増加率12.64%
2.
教育/語学/スポーツ - 増加額90円、増加率5.03%
3.
ホテル/旅館/ブライダル - 増加額55円、増加率4.70%
この中でも、1位の「映像/イベント/芸能/キャンペーン」は、多くの企業がアルバイト募集を行った影響で、平均賃金が大幅に伸びました。この結果は、特に大型イベントや芸能関係の需要が高まっていることを示唆しており、今後もこの傾向が続く可能性があります。
一方、最も労働条件が厳しいとされる「アミューズメント」は、前月比で-1.41%と下降傾向が続いており、横ばいの状況が続いています。
正社員の賃金変動
正社員の職種別賃金伸び率ランキングも注目に値します。以下がトップ3の職種とその変動率です。
1.
映像/イベント/芸能/キャンペーン - 増加額2,101円、増加率0.71%
2.
ホテル/旅館/ブライダル - 増加額1,552円、増加率0.58%
3.
ファッション/アパレル/インテリア - 増加額1,298円、増加率0.46%
正社員部門でも、アルバイト同様に「映像/イベント/芸能/キャンペーン」がトップに立っています。この分野の安定した需要が相まって、正社員の賃金も着実に上昇していることが伺えます。
これに対し、「医療/医薬/福祉」分野は-1,900円という厳しい状況で、賃金が減少しているというデータが出ています。地域による差異はありますが、全体的には医療や福祉関連職の厳しさが浮き彫りになる結果です。
調査方法について
今回のデータは、2024年9月2日から2025年10月6日までの期間に各種求人媒体を分析し、アルバイト・パート、派遣、正社員の賃金データを元に集計されています。特にアルバイト・パートは「イーアイデム」「バイトル」「マイナビバイト」から、正社員は「doda」「type」「エン転職」「マイナビ転職」などからの情報を用いています。
まとめ
2025年10月度の職種別賃金伸び率を分析することで、特にアルバイト・パートにおいてイベント関連の業種が浮上していることが明らかになりました。この傾向は、今後もイベント需要が高まる中で、雇用市場において重要な指標となるでしょう。今後の求人市場の動向に注目し、最新の情報をさらに追いかけていきたいと思います。