VR体験が変える米粉の未来民間と農政が共鳴する新食育モデル

三重県御浜町でのVRを使った新しい食育イベントの概要

2025年12月22日、三重県南牟婁郡御浜町のショッピングセンター「ピネ」にて、一般社団法人ここテラスが主催する特別なイベント「米粉で味わう未来の農業体験」が行われました。このイベントでは、メタバース空間「バーチャル尾呂志」を利用したVR体験会が開催され、参加者は遊びを通じて米粉の知識を深めることができました。食育の新たな形を模索する中、農林水産省による「令和6年度米・米粉消費拡大対策事業」の一環として位置づけられ、地域の親子連れが多く訪れました。

体験プログラムとその効果

現場では、VRChat上に構築された「バーチャル田植え」や「製粉機械」、さらには「米粉パンづくり」の体験が提供されました。参加した子どもたちは、ゲーム感覚で作業を楽しむうちに、以下の重要な知識を取得しました：

- 生産の大変さ：田植えや稲刈りに必要な手間を体験。
- 加工の過程：収穫した米が製粉機で粉にされる様子を見学。
- 利用連結の理解：米粉が自分たちの食べるパンやクッキーの原料であることを学ぶ。このように、遊びながら学ぶことが、米粉への理解を深める効果を示しました。

実際に「お米が粉になる様子を初めて見た」「パンがお米でできているとは知らなかった」といった参加者の声が収集され、VR体験がただの楽しみでなく、実際の食育に結びつくことを証明しました。

味覚体験の向上

VR体験後には、地元の米粉を使用したクッキーを試食する機会が設けられました。参加者は「作ったお米のお菓子」との関連性を感じていたため、試食への関心が高まりました。特に、「米粉だからサクサクしている」といった食材への注目が集まり、知識が味覚体験をより豊かにすることが観察されました。このプロセスを通じて、子どもたちの米粉への興味が一層深まることが確認されました。

デジタル化が地域を変える

また、このVR体験は単に食育にとどまらず、地域の魅力を再発見する契機ともなりました。体験者からは「御浜町にこんな美しい場所があるとは知らなかった」という意見が寄せられ、米粉への関心とともに地域そのものへの興味が喚起されていることが確認されました。地域資源のデジタル化が、訪問者を増やす可能性を秘めていることを示唆しています。

今後の展望

この成功を踏まえ、今後は以下の二つの方向で事業を拡大する計画です：
1. 教育と普及：学校教育の現場にVR技術を取り入れ、ゲーム感覚で学べるコンテンツを提供します。次世代の米粉ユーザーを育てることが目的です。
2. 地域活性化：『バーチャル尾呂志』を地域のデジタルツインとして活用し、オンラインでのコミュニティを構築。米粉や農業に興味を持つ人々を、実際の御浜町への観光や移住に誘導する流れを整備します。

このように、新しい形の食育と地域振興が、今後の展開に期待を寄せられています。