部下のキャリア自律支援の現状と課題～ミドルマネジメント層による調査結果～

部下のキャリア自律支援の実態と課題

ビジネスコーチグループであるB-Connect株式会社は、ミドルマネジメント層による部下のキャリア自律支援に関する調査を実施しました。この調査では、従業員1,000名以上の企業で働く部長や課長の105名を対象に、部下のキャリア自律や支援策についての意識を探りました。

調査結果の概要

調査の結果、約6割のマネジャーが部下のキャリア自律支援に力を入れているものの、心理的安全性を確保することが難しいと感じていることが分かりました。また、キャリア自律支援が自己成長やスキル向上のために重要であると回答したマネジャーも56.2%に達しました。

支援策の実施状況

調査によると、定期的な1on1やキャリア対話の実施が53.3%の支持を得ており、部下のキャリア自律を支援するための理想的な取り組みとして多くのマネジャーに認識されています。この他にも、スキルや経験の棚卸しといった手法が有効とされています。

一方で、実際に行っている支援策としては、63.8%が定期的な1on1を重視しており、次いで47.8%がスキルの可視化による強み・課題の整理を実施しています。

課題感の明確化

調査の結果、58.8%のマネジャーが部下が本音を話せる関係性を構築することが難しいという実感を持っています。このような状況下では、どうしても業務報告や進捗確認が主題となりがちで、キャリアについての深い対話が行えないケースが多いようです。

その一方で、部下のキャリアに対する主体的な意識が不足していることや、マネジャー自身の時間の制約も課題に挙げられています。

今後の方向性

調査では、44.8%のマネジャーがコーチングスキルの強化を望んでいると回答しており、相手に寄り添った対話を持つためのスキル習得が急務であることが示されています。対話力や1on1を効果的に運用する能力の向上も求められているといえるでしょう。

まとめ

今回の調査を通じて、マネジャーは部下のキャリア自律支援について理解を深めたいと考えている一方で、実践に移す際には多くの障壁が立ちはだかっている実態が浮き彫りになりました。これらの課題を解消するためには、実践的なトレーニングや、マネジャー自身がキャリアについて向き合う姿勢が重要です。こうした取り組みが進むことで、部下の能力を引き出し、組織全体の成長に繋がることを期待しています。

本調査の詳細な報告は、B-Connect株式会社のオウンドメディア「Coaching Times」からダウンロードできます。