大阪が誇る鍋料理の魅力と成長の秘密を探るインタビュー

大阪が誇る鍋料理の魅力と成長の秘密

寒い季節になると恋しくなる鍋料理。しかし、今や大阪は全国的に「鍋の街」として注目を集めています。2024年の鍋料理ジャンルの新規開業数を見てみると、大阪は全国の16.9%を占めており、その理由を探るべく老舗ちゃんこ鍋店「ザ・ちゃんこ萩屋本場所」の小林政仁さんにお話を伺ってきました。

鍋料理業界の現状

株式会社Reviewによると全国での鍋料理の開業数は、2023年の162件から2024年には186件に増加しています。この増加の背景には、観光需要の復活があり、特に京都や大阪、沖縄などの観光地では食事需要に応える形で新規開業が進んでいるようです。それに伴い、大阪は「食の街」として強い存在感を示しています。

小林政仁さんとのインタビュー

「ザ・ちゃんこ萩屋本場所」は創業44年を迎え、もともとは建設業に従事していた小林さんが先代から店舗を引き継ぐ形で今のスタイルを確立しました。京都で生まれ育った小林さんは、建設業から飲食店に転身した理由を次のように語ります。

「家族や友人をもてなす際に料理を振る舞うことに抵抗がなく、自然と飲食の道に進む決断をしました。」

大阪での鍋文化が根付いている理由についてもお話を伺ったところ、参加者全員で鍋を囲むという文化があるため、仲間とのつながりを強く感じることができるそうです。それに加え、大阪では鍋料理が比較的リーズナブルに楽しめるため、観光客にとっても魅力的な選択肢となっています。

ちゃんこ鍋のこだわり

小林さんの鍋には、「身体によい食材」がふんだんに取り入れられています。特に普段あまり食べない野菜や魚を使い、全てが計算された食材構成になっています。このような伝統を守りつつ、新しい試みを打ち出していく姿勢が大阪の鍋文化の強みであると感じました。物価高騰の影響についても尋ねると、価格を現状維持しているものの、厳しい状況に直面していることもお話してくれました。

鍋料理業界における人とのつながり

小林さんは、友人たちからの支援があったからこそコロナ危機を乗り越えることができたと強調し、「人とのつながり」が飲食業において非常に重要であることを届けたいとのことです。人との関係性を大切にし、コミュニケーションを広げていくことが成功の鍵であるようです。

結論

データだけでは語れない人の営みと文化が根ざした鍋料理業界の成長。大阪の鍋料理店は、地域の文化や人とのつながりを通じて進化し続けています。「味や立地を超えて、人のつながりが大切」と小林さんが語るように、鍋料理を囲むことで生まれる絆が大阪の魅力をさらに深めているのです。今後も大阪の鍋文化がどう進化していくのか、目が離せません。