Sapeetと仰星監査法人が共同開発したAIエージェント
このたび、株式会社Sapeetと仰星監査法人が共同で開発した、監査業務支援のAIエージェントに関する画期的な成果が明らかになりました。新しいシステム導入により、調査業務時間が驚異の87%削減され、監査品質の向上にも貢献しています。
プロジェクトの背景
企業の事業環境は日々変化しており、監査法人には複雑な論点に的確に対処する要求が増しています。特に、外部環境の情報を正確に把握し、質の高い情報を選別することは、監査の質を保つうえで非常に重要でした。その上で、IPOやM&Aに関連する非監査業務への対応も求められており、基幹業務を効率化するシステムが急務でした。
一方、Sapeetは生成AIの社会実装や知識の形式知化において多くの成功体験を積んできた企業です。AWSを用いたセキュリティ対策にも強みを持っており、この技術を仰星監査法人の監査ノウハウに組み込むことで、両社が連携して新しいシステムの開発を決定しました。
システムの概要
今回のAIシステムは、特定の企業名を入力するだけで、AIが瞬時に有価証券報告書や適時開示情報を収集します。その後、仰星監査法人の専門知識を活かし、マクロ・ミクロにわたる環境分析やリスク要因の抽出を行います。結果は分かりやすくまとめた資料として提供され、実務者は情報収集や初期分析から解放され、より高度な判断業務に専念できます。
提供された技術
1.
暗黙知の形式知化
監査人が求める情報の再定義により、AIと人間の効果的なコミュニケーション設計が行われ、調査の一貫性が確保されています。
2.
セキュアなシステム構築
AWS上で設計されたこのシステムは、機密データの安全な取り扱いを可能にしており、今後の機能追加にも柔軟に対応できます。
3.
専門知識再現AIエージェント
専門家の知識を効果的に活用するAIエージェントにより、情報収集から分析までを一貫して行えるようになっています。
導入効果
仰星監査法人において、今回のシステム導入により87%もの業務効率の向上が確認されました。さらに属人的なノウハウの共有が進み、分析観点の幅が広がり、リスク洗い出しの精度も高まりました。また、このシステムは今後さらに進化し、利用者の知見を組織全体で活用する知識循環を基盤にしていく予定です。
今後の展望
今後は、ユーザーからの意見を反映しつつ、より現場で使用しやすいシステムに進化させていく方針です。AI時代における管理監査の新たなスタンダードを築くため、Sapeetと仰星監査法人はさらなる連携を深めていくことでしょう。これによって、監査業務の効率化と品質向上が同時に実現可能となります。
企業紹介
仰星監査法人は高品質な監査・会計サービスを提供する専門機関で、日本経済や地域社会の発展に寄与することを目指しています。一方、
Sapeetは東京大学発のベンチャーで、競争優位性の確立を目的としたAIソリューションを提供し、企業の業務を支援しています。両社の連携による今回のシステムは、今後の監査業務の在り方に革新をもたらすものです。