アジア初上陸！アイリッシュビーフの魅力を伝えるシェフの集い

アイルランドの誇り、アイリッシュビーフを広める新たな試み

　2025年6月11日、アイルランド政府食糧庁Bord Bia（ボード・ビア）は、アジア初の「Chefs’ Irish Beef Club Japan」の設立を発表しました。このクラブは、アイリッシュグラスフェッドビーフの素晴らしい品質と美味しさ、そしてそのサステナビリティを支持する世界のトップシェフたちが集まる場となります。クラブ設立の発表会は東京都内のレストラン「ザ・モメンタム・バイ・ポルシェ」にて行われ、著名なシェフたちが日本初のメンバーとして名を連ねました。

　参加するシェフは、リストランテ・ラ・ビスボッチャの井上裕基氏、The Momentum by Porscheの林祐司氏、Trattoria Da KENZOの西沢健三氏の3名です。彼らはアイリッシュビーフの魅力を日本に広め、さらなる普及を目指して活動を進めることとなります。

世界の美食の舞台でのアイリッシュビーフ

　「Chefs’ Irish Beef Club」は現在欧州や中東で活躍するシェフたちに愛されており、その規模は拡大の一途を辿っています。アイルランド産のグラスフェッドビーフは、特にその豊かな風味や質感で知られ、サステナビリティの観点からも注目されています。2024年の見込みによると、日本向けのアイルランド産牛肉輸出は3,400トン、輸出額は約2,500万ユーロ（日本円で約41億円）に達すると言われており、これは前年比約26%の増加を意味しています。

　マーティン・ヘイドン大臣は、「アイルランド産ビーフは、そのプレミアムな品質が国際的に認められつつある」と述べ、日本におけるアイリッシュビーフの販売・認知度をさらに拡大することを目指しています。

日本のシェフが感じるアイリッシュビーフの魅力

　林シェフは、このクラブに参加することができて非常に光栄だと語り、アイルランドを訪れた際の家畜たちが美しい緑の中で自然に暮らしている姿に感銘を受けたと述べています。井上シェフも、2017年からアイルランド産のヘアフォード牛を提供しており、その高い品質にクライアントからも高評価を得ています。

　さらに、デクスター牛の取り扱いも開始しており、この希少な品種の卓越した風味を楽しむことができます。デクスター牛は、アイルランド産の完全な牧草飼育による高タンパクの赤身肉として知られ、日本でも多くのレストランで注目を集めています。

日本全体への影響

　日本市場において、アイルランド産ビーフはもはや一過性のトレンドではなく、新たな品質への期待とともに確固たる地位を築いています。首都圏を中心に約50店舗を展開する牛たん専門店「ねぎし」でも、アイリッシュビーフの使用が始まっており、2025年には関西にも展開する予定です。このように、アイリッシュグラスフェッドビーフの存在感は、着実に広がりつつあるのです。

今後の展望

　今後、ボード・ビアはアイリッシュグラスフェッドビーフのさらなる認知拡大を図り、日本のグルメシーンでの地位を強化していきます。日本の料理環境の変化を背景に、アイリッシュビーフに対する関心が高まり続け、トップシェフたちによってその魅力がますます広がることでしょう。この「Chefs’ Irish Beef Club Japan」の活動は、日本とアイルランドとの文化的な架け橋にもなり得るのです。

　世界中の人々に愛されるアイリッシュグラスフェッドビーフ、ぜひ一度その魅力を味わってみてはいかがでしょうか。