世代別で見る高級腕時計のトレンド
近年、世代を超えて高級腕時計に対する関心が高まっています。その中でも、特に若い世代が機械式時計に目を向けているという傾向が見られます。ドイツのカールスルーエに本社を置くChrono24(クロノ24)が、年齢層別にどの高級腕時計が人気を博しているのかを分析した結果が発表されました。
Z世代の高級時計購入意欲
昨年実施された調査によると、Z世代のなんと3人に1人が高級腕時計を所有または購入を検討しているという結果が明らかになりました。特に価値を重視する彼らにとって、時計はただの時間を示す道具ではなく、身分やライフスタイルを表す重要なアイテムと捉えられています。
年代ごとの時計の人気ランキング
Chrono24の調査では、各年齢層ごとに人気の高級腕時計が異なることがわかりました。40歳未満の若年層ではロレックスの人気が非常に高く、30歳未満ではデイトジャストが、30歳から39歳ではサブマリーナーが支持されています。一方、40歳から49歳の層ではデイトナ、50歳から59歳ではシードゥエラーが人気です。また、60歳以上の世代にはパテック フィリップのカラトラバが選ばれています。
ブランドのトレンドと多様性
特に40歳から49歳の層では、さまざまなブランドが選ばれており、ブライトリングやヴァシュロン・コンスタンタンなどの多様性が見受けられます。この層では、9モデルが異なるブランドから構成されています。一方、60歳以上の世代では高価格帯のパテック フィリップが優勢で、独特のプレミアム感が支持されています。
Z世代のバリエーション
Z世代に限れば、ロレックスが4モデル、オメガが3モデル、カルティエが2モデル、グランドセイコーが1モデルと、好みが分かれる結果となっています。特にグランドセイコーがこの年代のランキングに入ったことは興味深い点です。これに対して他の年齢層では見られないトレンドであり、若者ならではの好みが反映されています。
ブランド選びに影響を与える要因
Chrono24の専門家であるバラシュ・フェレンツィは「年齢やライフスタイルに応じて高級時計の選び方が変わることは自然な流れです。若年層はまず手に取りやすいモデルから入り、年代を重ねるにつれてもっと個性を重視した選択をする傾向があります」と指摘しています。また、シニア世代では、長い経験を経てパテック フィリップなどの伝統あるブランドが選好される傾向が強いとされています。
結論
Chrono24の分析は、世代間で高級腕時計に対する価値観や選択基準が顕著に異なることを示しています。しっかりしたデータに基づいて、各世代がどのようなブランド、モデルを求めているのかを見ることで、より深く高級時計の魅力に迫ることができます。高級腕時計の選び方には、その人の人生のステージや経験が反映されているのです。今後もそれぞれの世代がどのように時計を選んでいくのか、注目していきたいものです。