共栄火災と日立が取り組む基幹システムのクラウド化プロジェクト

共栄火災と日立の基幹システムクラウド化プロジェクト



共栄火災海上保険株式会社と株式会社日立は、2023年4月から、共栄火災の基幹システムをメインフレームからパブリッククラウドに移行するモダナイゼーションプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、2030年度中の稼働開始を目指しており、共栄火災のシステム環境をより柔軟かつ効率的に整えることを目的としています。

プロジェクトの背景


近年、国内企業はメインフレーム上のプログラムの肥大化とブラックボックス化に直面しており、システム開発が高コスト化し、長期化していることが深刻な問題となっています。また、メインフレーム技術者の不足も大きな課題です。共栄火災も同様の課題を抱えており、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、外部サービスとの柔軟な連携を実現するために、基幹システムのモダナイゼーションを急務としていました。

そのため、共栄火災は、金融機関をはじめとしたミッションクリティカルなシステムのモダナイゼーションに関する広範な実績を持つ日立と協力し、このプロジェクトを進めることに決定しました。

プロジェクトの特長


1. 日立のノウハウを活用した効率的な推進


このプロジェクトでは、日立のApplication Lifecycle Management (ALM) サービスを利用し、移行対象のシステムの棚卸しや可視化を行います。メインフレームの現行プログラムのスリム化を進めることで、モダナイゼーションを効率的に行う計画です。また、日立は2024年度に保険・共済分野専門のモダナイゼーションチームを設立し、高度なシステム開発実績とノウハウを駆使して、プロジェクトを加速します。

さらに、日立のオープンミドルウェアを活用することで、メインフレームからの移行時にアプリケーションの変更を最小限に抑え、迅速かつ安全な移行を実現します。

2. 柔軟かつ効率的なシステム環境の構築


共栄火災は、クラウド環境の導入によりITリソースの管理を容易にし、コスト削減と先進技術の活用を図ります。この変革により、商品開発やサービス提供のためのシステム開発効率を飛躍的に向上させ、顧客の多様なニーズに応えることが可能になります。経営資源を有効に活用するためのシステム環境の整備も進めます。

3. 生成AIによる作業負担の軽減


このプロジェクトの規模が大きいため、長期間にわたり膨大な情報の管理が不可欠です。日立は、生成AIを活用し、移行および開発作業の負担軽減と精度向上を図る予定です。さらに、生成AIの適用範囲を拡大し、開発プロセス全体の精度や品質の向上を目指します。

今後の展望


共栄火災は、顧客ニーズに応じた商品開発やサービス提供をより柔軟に行うために、システム開発の効率化を継続して推進します。一方、日立は確実にプロジェクトを推進し、共栄火災のデジタルトランスフォーメーションの実現を支援し、金融システムのモダナイゼーションを推進していく考えです。

会社概要


共栄火災


1942年に設立された共栄火災は、農業や水産業の保険を普及させることを目的とし、損害保険事業を通じて安心と安全を提供しています。

日立製作所


日立はサステナブルな社会の実現を目指し、データとテクノロジーを活用した社会イノベーション事業を展開。デジタル、グリーン、イノベーションを基に、世界中の課題解決に取り組んでいます。

共栄火災と日立の連携により、今後ますます進化するシステム環境に期待が高まります。

関連リンク

サードペディア百科事典: 日立 共栄火災 モダナイゼーション

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