梅沢和木個展「画像幻想」のすべて
この春、CASHIギャラリーで梅沢和木の個展「画像幻想」が開催されます。本展は2025年3月1日から4月5日までの期間、東京・台東区のCASHIで行われます。この展示会では、梅沢が探求してきた「画像」という概念を中心にした新しい作品群が披露されます。
梅沢和木と画像の探求
梅沢和木は1985年に埼玉県で生まれ、2008年に武蔵野美術大学の映像学科を卒業したアーティストです。以降、彼はインターネット上に散在する様々なイメージを再構築して作品を制作してきました。その独特な方法により、実体を持たないデジタル空間の“画像”を現実の平面に表現し、視覚に新たな問いを投げかけています。
彼の作品は、私たちが日常的に接する「画像」への信仰心や偶像崇拝とも connected したものです。デジタル社会に生きる現代人として、私たちは日に日に膨大な情報に圧倒され、無意識のうちに様々なイメージを過信してしまっています。梅沢はそんな“カオス”をあえて平面に落とし込み、“現実に存在しないはずのイメージ”をリアルに感じさせる手法を用いています。
展示内容と関連企画
「画像幻想」では、梅沢が魅了されている「画像」についての新たな側面が探求されます。近年、デジタル空間において確固たる実体を持たないイメージを、彼は絵画という形で再創造します。このプロセスを通じて、幻想を信じるという彼自身の姿勢が浮かび上がるのです。CASHIでの今回の個展は、2020年に行われた「黒の夢」以来5年ぶりとなります。
また、本展に合わせて関連企画も行われます。例えば、CASHIから徒歩圏内にあるCON_では、同じく3月1日から30日までグループ展「912133-297-94」が開催され、梅沢和木のほかのアーティストも参加します。さらに、書籍や文献の取り扱いで知られるhonkobooksでは、梅沢のミニチュア個展「メタ・ミュージアム」が2月27日から3月31日まで行われる予定です。
アーティストの考察
梅沢和木自身も、「画像」という言葉に強く惹かれており、その深い意味について探求しています。あるトークイベントでは、写真家の小林健太が「画像の中にはピクセルが含まれている」と述べ、梅沢はその意義に驚きました。このような形で彼は、デジタルイメージの本質を捉えようとしています。
また、彼の考察の中で「画像」が存在しないことの重要性を語っています。ディスプレイに映し出されるキャラクターやイメージは、電気や配線の集合体にすぎず、実際には存在していないことを理解することが大切です。しかし、そうした非実体のものを現実的に感じさせるアートの力が、彼の作品の魅力になっています。
例えば、梅沢は紙上に「画像」を出力するという行為を通じて、幻想を信じ続けることが可能になるということを示しています。彼の作品は、見えないものを見えたかのように感じさせる手法を取り入れており、色や形を超えた深い意味を持っています。
来場のご案内
梅沢和木の個展「画像幻想」は、ぜひ実際にその目でご覧いただきたい展示です。会期中、特別な体験を通じて、アートの新たな境地に触れてみてください。入場は無料で、会場は東京都台東区のCASHIです。春分の日の3月20日には臨時開廊も行われますので、この機会をお見逃しなく。
展示詳細
会期: 2025年3月1日(土) ~ 4月5日(土)
開場時間: 12:00 ~ 18:00
定休日: 日曜日、月曜日、火曜日、祝日(ただし、3月20日は開廊)
会場: CASHI
所在地: 東京都台東区浅草橋5-6-12-1F
入場: 無料
公式サイト:
CASHI
ぜひこの機会に、アートの新しい可能性を探求する旅に出てみてください。