自動車産業の未来を切り拓く新技術の開発が始動

自動車産業の革新と環境実現への挑戦

自動車製造における新たな技術の開発が進みました。株式会社富士テクニカ宮津と株式会社UACJが協力して、自動車のボディパネルに使用されるアルミ板材のプレス成形予測技術に取り組むことになりました。この新しい技術は、自動車産業における重要な課題、つまり「アルミ板材用金型の設計時間を短縮すること」に挑みます。

従来、自動車用のアルミ板材は製造過程において多くの課題を抱えており、特に成形性や寸法精度を確保することが難しいため、試行錯誤に伴い金型の設計に時間がかかることが常でした。このため、金型製作に無駄が生じ、経済的にも環境的にも影響を及ぼしていました。

新開発のプレス成形予測技術は、シミュレーション精度を飛躍的に向上させることで、金型設計の最適化を可能にします。これにより、金型の製作工程におけるエネルギー消費を抑えるだけでなく、さらにその結果として車両の軽量化を実現します。軽量化された車両は、燃費や電費の向上にも寄与し、温室効果ガスの排出量を減少させることが期待されています。

富士テクニカ宮津の技術と理念

富士テクニカ宮津は、2016年から東洋製罐グループの一因として新たなスタートを切りました。「常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を追求し、人類の幸福に貢献する」という企業理念のもと、熟練したプレス金型技術と最新のIT技術の融合により、革新的なものづくりを進めています。

同社は、自動車に搭載されるパーツの独自性や魅力を引き出すことに力を入れ、利用者が「乗りたい」「運転したい」と思えるデザインの実現を目指しています。このような信念は、自動車技術の進化に大きく寄与しています。

UACJの役割とシミュレーション技術

一方、UACJはアルミニウム総合メーカーとして、125年以上の歴史を誇っています。「アルミでかなえる、軽やかな世界」というスローガンの元、同社はさまざまな分野に向けてアルミ素材を供給し続け、社会に貢献してきました。

UACJの得意分野のひとつであるシミュレーション技術は、今回の共同開発においても鍵となる要素です。この技術の強化により、より正確な予測が可能になり、効率的な製造プロセスに繋がります。これにより自動車業界全体の脱炭素化のスピードを加速させることができると期待されています。