カカオ農業の持続可能な未来へ向けた共同研究
株式会社ロッテがベトナムのカントー大学、日本ハイドロパウテックとの共同研究を拡大し、カカオ農地での実証実験を開始しました。この研究は、持続可能な農業推進の一環として、今後のカカオ産業に向けた大きなステップとなるでしょう。
背景
カカオ豆は、美味しいチョコレートの原料です。しかし、カカオの実から取り出された後に残るカカオポッド(殻)は、全体の約80%を占め、ほとんどが廃棄されています。この没収された資源は、時間が経つにつれて土壌に還元されるものの、病原菌の繁殖を招くこともあり、結果的にカカオの収穫量を減少させる要因にもなっています。そのため、効果的な利用法が求められています。
研究の進捗
第一次共同研究が2023年5月に開始されました。ここでは、カカオポッドを加水分解技術を用いて処理し、粉砕したものを土壌に散布することで肥沃度を改善するかどうかを検証しました。その結果、カカオ苗の成長が促進され、土壌も改善されたという嬉しい結果が報告されています。
第二次共同研究の開始
これらの結果を受けて、ロッテは2025年10月9日に第二次共同研究の開始を発表し、カカオ農地への加水分解カカオポッドの散布が、実際のカカオ豆の収量にどのような影響を及ぼすのかを更に深掘りすることにしました。
環境問題の解決に向けて
この共同研究の目的は、カカオ産地特有の環境問題を解決し、資源の循環を促進することです。これにより、クリーンで持続可能な農業を実現し、地域社会にも貢献することが期待されています。カカオポッドの有効活用は、単なる廃棄物の処理に留まらず、カカオ農業の新しいビジョンを提示するものです。
カントー大学の役割
カントー大学は1966年に設立された国立大学で、ベトナム南部の中心的な農業教育機関としても知られています。多様な学部があり、52,414人の学生が学んでいます。メコンデルタ地域の農業に特化した研究を行い、地域の持続可能な発展に貢献しています。
結論
ロッテが進める共同研究は、単なる企業活動を超えた大きな意義を持ち、新たな農業の形を模索する重要なプロジェクトです。将来のカカオ産業において、持続可能な農業の実現を目指すこの取り組みは、世界の食料問題の解決にも寄与することでしょう。このような努力が、カカオ農業の未来を明るく照らすことを期待したいですね。