双日、ベトナムにおける牛肉加工工場の稼働を開始
2024年12月17日、双日株式会社が、ベトナム ビンフック省タムダオ地区に同国最大級の牛の食肉加工工場を稼働させました。この工場は、高度な衛生管理下で牛肉を冷蔵加工することができる、ベトナム初の施設です。今後、年間約1万トンの牛肉製品の出荷を目標にしており、食文化の発展にも寄与することが期待されています。
ベトナムの食肉市場の現状
ベトナムの食肉市場では、豚や鶏肉の消費が主流で、牛肉の年間消費量は約50万トンです。これは日本の約100万トンに比べると少ないですが、現在の人口約1億人が増加傾向にあり、所得水準も上昇しています。このため、今後の牛肉消費量は増加すると見込まれています。
従来、流通する牛肉は常温での加工・輸送が行われており、衛生管理が十分ではない伝統的な市場で販売されています。そこで、双日の新しい工場は、冷蔵環境のもとで良質な国産牛肉の提供を目指しています。
双日の取り組みと未来展望
双日は2021年9月に、ベトナムの最大手乳業メーカーのビナミルクとの提携により、Japan Vietnam Livestock Co., Ltd.(JVL)を設立しました。2022年には日本産牛肉の輸入・販売をスタートし、2023年からはベトナム国内で生産された牛肉製品の市場展開を進めています。
新たに稼働したタムダオ食肉加工工場では、年間約3万頭の牛の処理と加工が可能で、将来的に生産量を約1万トンまで増やす見込みです。生産された製品は、適切に管理された物流センターを通じて、ホテルや飲食店向けに販売される予定です。
双日は2025年3月には、工場に隣接する場所で自社の農場を稼働させる計画です。この農場では、最大1万頭の牛を肥育し、さらに安定した国産牛肉供給を実現しようとしています。
中期経営計画と市場戦略
双日は、中期経営計画2026において、成長市場での展開を掲げています。特に注目されているのがベトナム市場での物流事業を起点とした製造・小売の展開です。食肉加工事業においても、これまでの事業基盤を活用し、フードバリューチェーンの強化を進めていく方針です。
終わりに
今回の牛肉加工工場の稼働は、今後のベトナムにおける牛肉需要の拡大に向けた重要な一歩となります。双日は、良質な国産牛肉の提供を通じて、ベトナムの食文化や食品市場の発展に寄与し、さらなる成長を目指していくことでしょう。今後の展開に注目が集まります。