はじめに
近年、がん患者数が増加する中、がん治療においては外見の変化が大きな問題として浮上しています。特に化学療法による脱毛や皮膚の障害は、患者の心理的な負担を増やし、生活の質(QOL)に悪影響を及ぼすことが報告されています。このような課題を解決するべく、株式会社ファンケルは那覇西クリニックと共同で、がん化学療法における予防的スキンケア指導の影響を評価する研究を実施します。
研究の背景
日本では2人に1人ががんに罹患する時代となり、がん医療の進歩に伴い多くの患者が通院治療を受けながら仕事を続けています。しかし、治療に伴う副作用により外見に変化が生じ、その変化は多くの患者にとって心の負担となっています。アピアランスケアは、医学的・整容的・心理社会的支援を通じて、患者の外見に関連する苦痛を軽減することを目的としています。今回の研究は、特に予防的スキンケアがQOLに与える影響を探り、治療前からの支援の重要性を明らかにすることを目的としています。
研究概要
研究は2026年まで実施される予定で、那覇西クリニックで初めて化学療法を受ける50人の乳がん患者さんを対象とします。対象者はアピアランスケア支援の予防的スキンケアを受けるグループ(AC群)と、通常のスキンケアを行うグループ(SC群)に分かれます。AC群は治療前にスキンケアの指導を受け、その後の化学療法を受けることになります。一方SC群は通常のスキンケアから治療を受け、後にAC群の指導を受けます。
主要評価項目
- - 皮膚障害の発生頻度とそのグレードの評価
- - 皮膚疾患の生活の質評価(DLQI指標)や、QOL尺度(EORTC-QLQ-C30日本語版)による評価
副次的評価項目
研究の意義
本研究は、治療の初期段階から皮膚ケアを行うことによって、皮膚障害を減少させる可能性があることを示す初めての試みとなります。予防的ケアの効果が実証されれば、がん患者に対するアピアランスケアの重要性がさらに高まり、今後の医療現場におけるケアの質向上に寄与するでしょう。
今後の展望
弊社は、がん患者の外見に関する悩みに寄り添い、支援体制を整えることが重要であると考えています。今後もがん患者のQOL向上のためにアピアランスケアを推進し、医療現場の支援体制づくりに積極的に貢献していく予定です。私たちの取り組みが、多くの患者の心と体の健康を支えることを願っています。