小糸製作所と三菱ふそうが挑む製造業の未来。LiDAR技術で業務効率化を目指す実証実験

小糸製作所と三菱ふそうの新たな取り組み

株式会社小糸製作所（本社：東京都品川区、社長：加藤充明）は、三菱ふそうトラック・バス株式会社（本社：神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO：カール・デッペン）と連携し、製造現場の動線最適化を目指す実証実験を開始しました。これは、LiDAR技術を応用したデジタルトランスフォーメーション（DX）の一環であり、現代製造業の非常に重要なテーマである生産性の向上に挑戦するものです。

背景にある製造業の課題

最近の製造業では、人手不足やエネルギーおよび物流コストの上昇が深刻な問題となっています。これにより、生産性を高めるための新しい解決策が必要とされています。その中で、小糸製作所が開発した「イルミエル®」という3Dセンシングシステムが、新たなソリューションとして浮上しました。このシステムは、赤外線レーザーにより対象物との距離を高精度に測定し、得られたデータをもとに周囲の人や車両の動きを可視化します。

イルミエルによる業務効率化

三菱ふそうは、イルミエルを製造現場に導入することで従来のAIカメラでは難しかった作業者や車両の動きを詳細に把握できるようにしました。このデータを活用して、業務量や車両の無駄を削減し、効率を高めることを狙っています。現在、神奈川県愛川町の中津工場では、トランスミッションギア加工工程において、3台のイルミエルを使用し、実際に作業者の動線解析を開始しています。この試みは、さらなるデータ分析をもたらし、将来的には川崎製作所での実証も見込まれています。