水産資源の未来
2025-12-01 15:22:30

持続可能な水産資源の確保へ向けた新たな挑戦 - マリンバースのブリ人工種苗販売

持続可能な水産資源の確保へ向けた新たな挑戦 - マリンバースのブリ人工種苗販売



株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)と株式会社拓洋が共同出資した株式会社マリンバースが、2025年6月からブリの人工種苗の販売を開始します。この新たな取り組みは、天然資源に依存しない持続可能な水産資源の供給を目指し、海洋環境の保護に貢献するものです。

ブリの人工種苗とその成育状況


マリンバースでは自社開発のブリ人工種苗が、2025年の初夏の高水温期を乗り越え、順調に成長していることを報告しています。このブリの一部は、2027年にはF&LCが運営する「スシロー」で販売される予定で、その成育過程に注目が集まっています。

めざすは完全養殖


ブリの養殖は日本国内で盛んに行われていますが、これまでは天然の種苗に依存しているのが一般的でした。ブリの繁殖シーズンが春から初夏にかけて限定的であるため、天然の種苗の供給は環境によって大きく変動します。さらに、地球温暖化により海洋環境が変化し、従来の方法では高水温に適応できない課題が浮上してきていました。

これを受けて、マリンバースは完全養殖を目指し、研究を開始。2024年に人工種苗の生産テストが成功し、2025年に初めての商業販売が実現しました。その結果、従来の天然資源に依存せずに安定した魚の供給が可能になる見込みです。

養殖の利点


養殖された水産物は、その飼育環境や飼料を管理することで味や品質を安定させることができます。特に、脂の乗りが良いブリは、多くの顧客に安定して提供できる点が特徴です。このように、マリンバースの取り組みは、美味しさと持続可能性を両立させる新しい水産業のあり方を示しています。

マリンバースについて


マリンバースは2022年に設立され、F&LCと拓洋の専門技術を基に水産資源の持続可能な調達を目指しています。本社は熊本県にあり、現在はマダイやクロマグロの種苗、飼料の販売を行い、ブリの人工種苗の研究開発にも注力しています。

企業の歩み


マリンバースは2022年4月に設立され、その後すぐにマダイの人工種苗の販売を開始しました。2023年10月には広島大学との共同研究が始まり、2024年にはブリの人工授精卵の生産テストを行いました。これを経て、2025年にはブリ人工種苗の販売を開始します。

未来への展望


マリンバースは、今後も美味しい食事を提供するために、持続可能な水産資源の調達を目指して取り組む姿勢を崩しません。天然資源を守りつつ、安定した供給を確保することが、これからの水産業のカギとなるでしょう。皆様もこの新しい試みを通じて、未来の水産業に対する理解を深めていただければ幸いです。


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