ロッテホールディングス、Cartography社へ出資
株式会社ロッテホールディングスが、ヘルスケア・バイオ医薬領域に特化したCVC(Corporate Venture Capital)から、Cartography Biosciences(カートグラフィーバイオサイエンス)への出資を発表しました。この投資は同社にとって5件目となりますが、特に注目されるのは、Cartography社ががん治療に対して革新的なアプローチを持っている点です。
Cartography社とその技術
Cartography社は2020年に設立された若きバイオテクノロジー企業で、AIと機械学習を駆使して、がん治療法を革命する新たな創薬プラットフォームを構築しています。業界トップクラスの細胞データベース「ATLAS」および「SUMMIT」を通じて、がん研究の最前線で活躍しています。
- - ATLAS: 抗原標的の特異性を高精度で特定。
- - SUMMIT: 二重特異性や複数標的の組み合わせを特定。
これらのプラットフォームにより、がん細胞に対する特異的な治療法を開発し、副作用のリスクを抑える新たな治療法を創出しています。
先行プログラム「CBI-1214」の全貌
Cartography社は、すでに「CBI-1214」という大腸がん向けのT細胞エンゲージャーの非臨床開発を進めています。このプログラムは2026年初頭に臨床試験に入る予定で、かつてない治療法を提供することが期待されています。さらに、同社はグローバルな製薬業界リーダーとも提携し、トリプルネガティブ乳がんや非小細胞肺がんに対する革新的な治療薬の開発にも取り組んでいます。
ロッテの成長戦略と医療ニーズへの応え
ロッテホールディングスは、ヘルスケア・バイオ医療分野を成長戦略の一環として位置付け、バイオ医薬品の開発への投資を進めてきました。CVCを設立した目的の一つは、革新的なスタートアップの支援を通じて、これまで治療法が確立されていなかった疾患に対する医療ニーズを満たすことです。
大腸がんは、現在世界で3番目に多いがんであり、治療法が求められています。Cartography社への出資は、治療法を待ち望む患者やその家族にとって大きな希望となるでしょう。
今後の展望と期待
ロッテホールディングスの強化されたヘルスケアポートフォリオは、世界中の人々の健康と生活の質を向上させるための重要な一歩です。今回の資金調達により、Cartography社は次々と前臨床プログラムを推進し、規制上のマイルストーン達成に向けた準備を加速させることができます。
「Cartography社が変革をもたらす可能性に私たちは大きな期待を寄せています。がん治療に新たな選択肢を提供し、多くの人々に希望をもたらすために、私たちは全力で支援していきます」とHB-CVCのマネージングパートナー、Dr. Joon Paekはコメントしています。
まとめ
ロッテホールディングスのCartography社への出資は、バイオ医療やがん治療における重要な一歩です。この新しい流れは、治療法の選択肢を革新し、患者に対する医療の質を高めることでしょう。ロッテグループの「Lifetime Value Creator」というビジョンのもと、今後の展開に注目です。