ホシザキが食品ショーケースメーカーSC社を買収
愛知県に本拠を置くホシザキ株式会社が、アメリカの食品ショーケースメーカー、Structural Concepts Corporation(以下、SC)の買収を発表しました。この合併契約は日本時間6月12日に行われ、2025年7月末に予定されるクロージングを目指し、規制当局の承認を待っています。
SC社の魅力
SCは、ミシガン州ノートン・ショアーズに拠点を構える食品ショーケースの大手メーカーです。豊富な技術力と高品質な製品を提供しており、スーパーマーケットやレストラン、カフェなど、さまざまな業種の顧客に冷却・温蔵用のショーケースを販売しています。特に、自社製造を行い、生産設備の自動化と部品の直接取引によって高い収益性を確保しています。
また、SC社は環境への配慮を重視し、全製品を自然冷媒化するプロジェクトや、最先端の自動販売技術を搭載した次世代自動販売機を開発・販売しています。持続可能性と革新において業界をリードするSC社との統合は、ホシザキにとって非常に大きなチャンスとなります。
ホシザキの展望
ホシザキは、アメリカ国内に製氷機や業務用冷蔵庫のホシザキ・アメリカ、飲料ディスペンサーのランサー、食器洗浄機のジャクソンなど、すでに複数のブランドを展開しています。SC社の買収により、アメリカでの製品ラインナップが拡大され、コンビニエンスストアなどへの販売強化が期待されます。さらに、生産部材の共同購入やサービスネットワークの共有によるシナジー効果も見込まれています。
買収の具体的な計画
本買収は、米国の連結子会社であるHOSHIZAKI USA HOLDINGS INC.を通じて進められ、逆三角合併という方式を採用します。このフィナンシャル・アレンジメントにより、ホシザキがSC Holdings Corp(以下、SCHD)を取得し、バランスをとる形で全株式を保有することができます。これにより、SCとその関連企業はホシザキの完全子会社となる見込みです。
SC社の歴史と実績
1972年に設立されたSC社は、創業以来、冷蔵・温蔵用の食品陳列ソリューションを提供し、業界基準の確立に貢献してきました。自社で開発したショーケースは生鮮食品の魅力的な展示方法を支え、食品の鮮度を維持するための高度な技術を駆使しています。SC社の製品は信頼性が高く、多くの顧客に支持されています。2024年度の売上高は約238億円に達する見込みで、496人の従業員が活躍しています。
この買収により、ホシザキはアメリカ市場でのプレゼンスを大いに向上させるとともに、環境に配慮した製品開発やさらなる革新に向けての基盤を整備します。今後の展開が楽しみです。