世代別に見る望ましい働き方
最近、リモートワークやハイブリッド勤務の浸透が進む中、出社回帰の動きも見られます。株式会社LASSICが運営する「テレワーク・リモートワーク総合研究所」が実施した調査結果から、理想の働き方についての傾向を探ります。
出社希望は6.9%の少数派
調査によると、1,003人のビジネスパーソンが「将来働くならどの勤務形態を希望しますか?」との質問に対し、以下のような結果が報告されました。
- - フルリモート希望:17.1%
- - ハイブリッド希望:54.5%
- - フル出社希望:6.9%
- - その他:21.4%
フル出社を望む人はわずか6.9%で、フルリモートやハイブリッドを選ぶ人が多数を占めています。コロナ以前の「フル出社」が当たり前だった日常に戻ることに抵抗を感じる人が多いようです。
期待される働き方の理由
リモートまたはハイブリッド勤務を望む理由としては、次のような声が聞かれました。
- - ワークライフバランスの向上
- - 通勤時間の削減
- - ストレスの軽減
- - 自分のペースで仕事を進めたい
- - 家族やプライベートの時間の確保
これらの意見から、リモート勤務を希望する人々は、仕事だけでなく生活全体の質を重視していることが分かります。
逆に、フル出社を希望する人々の意見には、以下のようなものがありました。
- - 仕事の効率の向上
- - 生産性の向上
- - チームとのコミュニケーションのしやすさ
このように、リモート派は生活の質を重視し、出社派は仕事の効率や生産性に対する関心が強い傾向にあります。
出社を希望する世代とは?
調査でフル出社を希望した人々の年齢層を見てみると、主に40代と60代が多いことがわかりました。40代は家庭の手がかかる時期が過ぎ、仕事に専念しやすい環境が整っているため、オフィスでの勤務を好む傾向があります。また、団塊ジュニア世代である60代は、「働く=職場に行く」という価値観がしっかり根付いています。このため、リモート勤務よりも出社する方が生産性を感じやすいのです。
50代はフル出社希望者が少ないですが、この世代は子どもが独立し、自宅が集中できる場所になっている可能性や、変化に柔軟な姿勢を持っているため、リモートワークを受け入れやすい状況になっているかもしれません。
健康管理を意識したハイブリッド勤務
調査の結果、ハイブリッド勤務希望者の中で「健康管理がしやすい」という理由を挙げた人が多かったことが興味深い結果として浮かび上がりました。このスコアはフルリモートやフル出社希望者より約10ポイント高く、仕事の効率やコミュニケーションに関する意識は低かったです。これは、運動不足を感じずに健康を維持できるバランスを重視している人が多いことを示唆しています。
ハイブリッド勤務は単なる妥協策ではなく、意図的にバランスを取る選択肢として支持されていると考えられます。
今後の働き方に求められるもの
今回の調査から、出社を希望するのは一部の世代であり、リモートやハイブリッド勤務を求める人たちが主流であることが浮かび上がりました。企業が「出社回帰」の動きをどう位置付けるべきか、特にハイブリッド勤務を選択する社員層に柔軟な選択肢を提供することは、働き方の選択肢を広げ、社員のエンゲージメント向上にも寄与する可能性があります。
選択肢が一つしかない状況を避け、多様な働き方が支持される場を企業が創出することで、今後の働き方がより豊かなものとなるでしょう。
調査概要
- - 調査期間:2025年4月8日〜4月16日
- - 対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワーク経験者1003名
- - 方法:インターネット調査
このように、今後の働き方は多様性を重視し、柔軟な選択肢が求められる時代になっています。