日本の木造力に迫る『新住宅産業論』
2025年4月8日、一般社団法人日本モバイル建築協会が新たな書籍『新住宅産業論仮設住宅が問いかける日本の「木造力」と「レジリエンス」』を発売します。この書籍は、近年の地震など大規模災害を受けて、仮設住宅という重要なテーマを通じて、日本における木造建築の可能性と課題に迫るものです。
背景にあるリスクガバナンスの必要性
南海トラフ地震が発生した場合、日本ではなんと84.4万戸もの仮設住宅が必要になると試算されています。こうした需要に対し、現在の住宅産業が果たしてその供給能力を持っているのか、長坂俊成氏は疑問を呈します。
長坂氏は、過去の能登半島地震時に実際に仮設住宅を供給する経験を持っており、その際の困難を通じて、住宅産業界の現状では大量の仮設住宅を迅速に供給することが難しいと強く感じたといいます。この問題を解決するためには緊急時だけでなく、日常的な住宅サプライチェーンを見直し、工業化を進める新たな住宅産業の構築が必要であると考えています。
新住宅産業が目指す方向性
長坂氏は、これからの住宅産業はより効率的かつ持続可能であるべきだと主張します。人手不足や住宅価格の高騰といった社会的な課題を抱える中、どのように仮設住宅を供給し、地域の安心安全を確保するのかが重要なテーマとなります。
本書では、住宅産業の未来に向けたビジョンや具体的な戦略が示されており、業界での実践的な知見が多数収められています。
著者陣の顔ぶれ
この書籍の編纂を担うのは、日本モバイル建築協会の長坂俊成理事をはじめとする、実績ある専門家たちです。著者には、塩地博文氏(ウッドステーション株式会社代表取締役会長)、小見康夫氏(東京都市大学建築都市デザイン学部長)、大場友和氏(クリエイト礼文代表取締役)らが名を連ねています。それぞれが日本の住宅業界や防災において豊富な知識と経験を持ち寄り、仮設住宅の必要性とその実現可能性を論じています。
書誌情報
- - 書名: 新住宅産業論 仮設住宅が問いかける日本の「木造力」と「レジリエンス」
- - ISBN-10: 4883511707
- - ISBN-13: 9784883511709
- - 出版社: 創樹社(ランドハウスビレッジ)
- - 発売日: 2025年4月8日
- - 価格: 1,980円(税込)
購入は創樹社のオンラインショップからも可能です。これからの住宅産業の在り方を考える口火となる一冊、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。